数学は理系受験ではほぼ欠かせない科目です。それにも関わらず、思うように成績を伸ばすことができていない受験生も多いでしょう。今回は、偏差値ごとにおすすめの勉強法やテキストを紹介します。自分の現在の状況を正しく把握して、それに見合った手段を選ぶようにしましょう。
目次
偏差値50未満
偏差値50未満が意味する段階
偏差値50未満とは、言い換えれば模試等の点数が平均点に達していない状態を表します。受験する模試によっても偏差値の意味合いは変わりますが、基礎力を見る共通テスト模試等でこの偏差値を取ってしまっている場合は、相当に危機感を覚える必要があります。難易度の低い模試で偏差値が50に達しない場合は、教科書の例題レベルから理解できていない可能性が高いです。
偏差値50未満の学生におすすめの勉強法
まずは、教科書の例題や練習問題を全て解けるようにすることが大切です。レベルが上がった場合は、各単元ごとの繋がりや、証明の意味等にも目を向けて行きたいですが、この段階の学力ではまだそれは難しいので、計算練習を繰り返してパターンを覚えるようなイメージで学習すると良いです。最初は計算の意味が分からなくても、繰り返し学習するうちに次第に分かるようになります。
この段階の学生は、勉強する習慣がついておらず、単に勉強量が不足しているだけのことも多いです。そのため、学力を高めていくためにはコツコツ勉強することを覚えることも必要です。数学だけでなく他の科目にも言えることですが、毎日時間を決めて問題に取り組むようにしましょう。高校1年生や2年生ならば1日1時間、高校3年生ならば1日2時間程度は数学を勉強する時間を設けたいです。
偏差値50未満の学生に合った数学参考書と問題集
この段階の学生は、教科書の内容を理解するのにも苦労する場合があります。そのような場合は、教科書をイラスト付きでさらに噛み砕いた「やさしい高校数学」シリーズがおすすめです。分厚いテキストなので、教科書と併用しながら、自分の分からない範囲を調べるような使い方が良いでしょう。
偏差値50〜60
偏差値50〜60が意味する段階
偏差値が60まで達すると、いわゆるMARCHレベルの大学が受験できると思われます。そのため、受験生の多くは偏差値60を目指して勉強することになります。教科書の内容はなんとなく分かっていて典型問題は解けるが、応用的な問題は解けない段階がこれに相当します。
偏差値50〜60の学生におすすめの勉強法
基本的な内容ではありますが、やはり教科書を完璧にすることを意識したいです。偏差値50未満の段階とは異なり、教科書に書かれている定理や証明の意味まで詳しく理解するのが目標です。正しく基礎を理解することができて、初めて応用的な問題に取り組めるようになります。受験生によく見られる間違いとして、背伸びをして難しい問題集に手を出すことが挙げられます。数学は積み重ねが大事な科目なので、まずは教科書の内容を自分の言葉で解説できることを目標にし、それができてから発展的な問題に取り組むと良いです。
偏差値50〜60の学生に合った数学参考書と問題集
教科書の内容が完璧になったら、「基礎問題精講」や「青チャート」等に移行します。基礎問題精講は、入試によく出る基本的な考え方が学べるテキストですが、問題数が少ない欠点があります。青チャートは言うまでもなく良書ですが、量が非常に多い点がネックです。全てを解くのではなく、自分の理解が甘かったり身についていなかったりする問題のみを解くような使い方もあるでしょう。
偏差値60〜70
偏差値60〜70が意味する段階
偏差値が60を超えてくると、ほぼ全ての大学に挑戦できるようになり始めます。基礎が完璧になり、入試に出やすい典型問題の解法も身についた段階です。偏差値60程度までは比較的簡単に学力を高められますが、60より上を目指すのには時間も労力も大きく必要となる点も特徴です。
偏差値60〜70の学生におすすめの勉強法
偏差値60までは、テキストの内容を暗記するような勉強法でも到達できます。それに対して、60より上を目指す場合は、じっくりと時間をかけて自分の頭で考える練習を繰り返すことが必要となります。分からない問題があった場合にすぐに答えを見て内容を覚えるような勉強法では学力が伸びません。難し目の問題に、最低でも30分は時間をかけて取り組むようにしましょう。こうすることで、未知の問題に出会っても、粘り強く解答を探す練習になります。
偏差値60〜70の学生に合った数学参考書と問題集
幅広い問題の練習をするならば、「新数学スタンダード演習」と「数学Ⅲスタンダード演習」がおすすめです。難易度高めの良問が揃った構成になっています。欠点は、ある程度の学力がないと解説を読み解くのも大変という点です。それでも、難関を目指すならばこのレベルをスラスラ解けるようにしたいです。