共通テスト数学で誘導に乗れないのはなぜ?対策を紹介
2021年から始まった共通テストも3回目を終えました。共通テスト数学で高得点を取るコツは誘導に乗ることですが、受験生の中には、なかなか誘導に乗れないと感じている方もいるのではないでしょうか。今回はそのような方のために、なぜ誘導に乗れないのかや、誘導に乗れるようになるための対策について解説します。この記事を参照して、ぜひ苦手を克服してくださいね。
共通テストの形式について
はじめに、共通テスト数学の形式について解説します。
共通テストでは、数学1Aと数学2Bが出題されます。試験時間は、数学1Aが70分で、数学2Bが60分です。センター試験の頃と比べると、数学1Aの試験時間は10分伸びています。
内容面では、センター試験は単純な計算の処理能力を見るような問題が多かったのに対し、共通テストでは、やや長めの問題文を読んだ上で、必要な情報を整理しながら解答する力が求められるように変わりました。
基本的には問題文を丁寧に読めばその先で必要な計算が分かるようになっていますが、文章の量が多いため、普段から文字を読むことに慣れていない受験生は厳しく感じるかもしれません。
年度によって差がありますが、このような文章を読んで解いていくスタイルは、数学2Bよりも数学1Aの方が顕著なように思われます。数学1Aで高得点を取るためには、問題文をうまく読んで誘導に乗ることが不可欠と言えるでしょう。
なぜ誘導に乗れないのか?
それでは次に、なぜ誘導にうまく乗ることができないかを解説します。
これは一言で表せば「問題文の内容を正しく把握する力が不足している」ためです。共通テストは二次試験のような問題と異なり、導入部分が非常に長くなっています。そのため、導入の中から必要な情報を読み取って計算を進めるようにしないと、情報が不足して次に進めなくなることがあります。数学が苦手な学生は、目の前に与えられた数式のみを見てしまうため、問題全体の流れを見失う傾向にあります。一度この状態になってしまうと、試験時間中ならばパニックになり、より一層問題文に気を配ることが難しくなってしまいます。
問題ごとの関連に見通しを立てながら計算を進めないことも誘導に乗れない理由の一つです。小問が配置されているタイプの数学の問題を解く際には、必ず前問が次の問題のヒントになっていないかを意識することが大事です。共通テストに限らず、誘導に乗ることが苦手な生徒は、複数の小問の関連を意識することができていないことが多いです。二次試験に比べると、共通テストは比較的丁寧に誘導がついている印象ですが、前述のように問題文が多いため、逆にどの内容を参照すれば良いか迷ってしまうこともあるでしょう。
単純に数学の力が低いために誘導に乗れない可能性もあります。誘導に乗るためには、その問題で扱われている分野の内容を深く理解しておく必要があります。共通テストに限らず入試問題は、そのほとんどが既存問題の知識を組み合わせれば解けるように作られています。逆に言うと、典型問題を素早く処理できるだけの力が身についていなければ、いくら誘導があったとしても、スムーズに計算を進める方法に気付けないということです。誘導に乗れない原因はテクニックではなく自分の力不足と知ることも大事です。
誘導に乗れるようになるための対策について
最後に、うまく誘導に乗って共通テスト数学を解き切るためのアイデアをいくつか紹介します。共通テストに苦手意識のある受験生は、ぜひ参考にしてください。
・問題文をよく読む練習をする
理系受験生は国語が苦手なことが多いですが、これにより他の科目にも悪影響が出ることがあります。特に共通テストでは長めの問題文から必要な情報を抜き出す力が必要となるため、国語力が低いとなかなか成績が伸びません。これを改善するためには、普段から問題文を丁寧に読むことを習慣づけると良いです。国語の対策に力を入れることで、間接的に共通テスト数学の誘導に乗る力がつく可能性があります。
・計算力を高める
共通テスト数学は1Aも2Bも時間制限が厳しいテストです。仮に問題文から必要な情報をうまく拾えたとしても、計算でつまずいてしまうと、その先に進めなくなることがあります。普段から計算練習を繰り返すとともに、共通テストタイプの演習をする場合は、前問の計算が次の問題にどのように関わるかを意識して計算を進める練習をすると良いでしょう。
・普段からよく考えて勉強する
数学ができない受験生は、問題が分からない場合にすぐに答えを見てしまう傾向にあります。残念ながら、このような勉強法をしていると、自分の頭で考える習慣が身につきません。そうすると、共通テストでも問題の意味を正しく捉えて次の問題に繋げていくという基本的な部分がクリアできず、結果として誘導に乗れなくなります。じっくりと腰を据えて考える時間を取るようにすることで、問題が何を求めているかに気づけるようになれば、数学の点数は徐々に伸びていくでしょう。