数学が苦手だけど医学部を目指すにはどうしたら良い?
①各大学の傾向や情報の把握
医学部受験では、各大学の入試傾向や過去問を把握することが重要です。 大学ごとに数学の出題範囲や難易度、重視するテーマが異なります。情報を収集し、適切な対策を立てることが必要です。
早い段階で堅実な志望校の選択と併願する私立大学を決めることも大切です。 数Ⅲに拒否感のある人は数ⅡBまででも受験できる大学もあるので、幅広く探してみましょう。大学のホームページや過去問などを参考に情報収集しましょう。
②数学の実力向上
数学の実力を向上させるためには、 基礎固め⇒網羅系問題集⇒問題演習の三段階で勉強することがおすすめです。
高校1、2年生は単元ごとに基礎固め、網羅系問題集、問題演習と進めてもよいですし、全単元を順に進めてもよいです。
高校3年生や浪人生は全単元を基礎固め、網羅系問題集、問題演習の順に進めることをおすすめします。以下に各段階の具体的な勉強法を書いていきます。
(a)基礎固め
基礎固めの段階では、数学の基本的な知識や公式を理解することに重点を置きます。 教科書の例題や問題数が少なくて容易な問題集を使うと良いでしょう。また、 教科書を使う場合は教科書ガイドを併用するとよいです。
教科書を使用するメリットは、コストパフォーマンスが高く、問題集の選択に迷わずに済み、問題の量も適切であることです。また、教科書の問題は学校の先生に疑問を解消するために質問しやすいという利点もあります。
市販の問題集では、「入門問題精講」または「基礎問題精講」がおすすめです。
数学が本当に苦手で理解が不十分な場合は「入門問題精講」を選ぶと良いでしょう。
授業内容は理解できたが模擬試験の偏差値が50台である場合は、「基礎問題精講」がおすすめです。
高1、2年生であれば、「入門問題精講」の問題を全て理解できれば、ベネッセの模擬試験の偏差値が55〜65まで向上します。「基礎問題精講」は中堅大学のレベルに対応しており、時間が限られている方には非常におすすめです。高1、2年生がこの問題集を完了すると、ベネッセの模擬試験の偏差値が65〜75まで向上します。高3生や浪人生であれば、偏差値50〜60程度になります。
高校3年生の春ごろまでにはこの段階を終えておくことが望ましいです。
(b)網羅系問題集
「フォーカスゴールド」や「青チャート」はおすすめの網羅系問題集です。
これらの問題集は問題数が多く、明らかにわかる問題は飛ばして、自信のない問題に集中して解きましょう。
章末問題などは解かずに、例題のみ解くだけでも十分です。
「基礎問題精講」を理解できていれば、おおよそ1/3の問題はスムーズに解け、次の1/3は考えながら解答できます。残りの1/3は間違えたりわからない問題です。これらの問題に印をつけて、後日再挑戦しましょう。
ただし、星5の問題は解けなくても、志望校の傾向から外れる場合は飛ばしても構いません。
高校3年生の春頃に基礎固めが終わった場合は、網羅系問題集を春から夏休みにかけて解き進めましょう。
(c) 問題演習:
基礎固めと網羅系問題集を完了すると、数学が苦手だと感じることはなくなるでしょう。
そのような方は、「プラチカ」などの問題量が少ないものや、微分積分や確率など各単元に特化した問題集を解きながら、過去問にも取り組んで実践的な応用力を養いましょう。
これらの演習を11月まで続け、その後は共通テスト対策と同時に進めましょう。12月からは共通テスト対策だけに集中しても問題ありません。
*共通テスト対策
駿台文庫から出ている短期攻略 大学入学共通テスト 数学I・A (II・B)[基礎編]・[実践編]や、河合塾・東進・駿台などが出版している予想問題集を1冊または2冊解くことで十分です。
時間が限られている場合は、過去問を解くことに集中し、苦手分野のみ「短期攻略 大学入学共通テスト」で補完するといった方法でも大丈夫です。