一般的には「英語」「数学」「理科(物理・化学・生物)」が中心ですが、大学によっては選択科目が異なる場合もあります。
必要な科目がわかれば、その分得意科目の成績を伸ばし、苦手分野の克服に注力するなど、効率的な学習計画が立てやすくなります。
本記事では、私立大学の医学部受験に必要な科目を解説します。
入試の出題傾向や特徴も具体的に解説するので、私立医学部を目指す方は入試の特徴を押さえて効率的に対策を進めましょう。
目次
- ○ 私立大学医学部の受験科目【一次試験】
- ・一般選抜の主な受験科目
- ・一般選抜の受験科目が少ない大学もある
- ・大学入学共通テスト利用方式の受験科目
- ○ 私立大学医学部の受験科目【二次試験】
- ・面接
- ・小論文
- ○ 私立大学医学部入試の出題傾向と対策
- ・一般入試の各科目の配点傾向
- ・難問や長文読解で医療系の英文が出題される
- ・面接は一般入試でも重視される
- ・小論文テーマは医療を中心に多岐にわたる
- ○ 私立大学医学部入試の特徴
- ・大学によって科目数や配点が異なる
- ・偏差値が高い
- ・倍率が高い
- ・複数校を併願受験しやすい
- ○ 私立大学の医学部受験科目を把握して効果的に対策しよう
私立大学医学部の受験科目【一次試験】
私立大学医学部の受験科目は大学ごとに異なるため、志望校が求める科目を確認し、対策を絞ることが大切です。
一般選抜の主な受験科目
一般選抜に必要な主な受験科目は、以下のとおりです。
科目数は大学により異なるため、志望校の詳細を確認しましょう。
・外国語
・理科(物理・化学・生物の3科目から選択)
・数学(数学Ⅰ・数学A、数学Ⅱ・数学B、数学Ⅲ・数学C)
昭和医科大学や帝京大学のように国語が選択科目に含まれる大学や、埼玉医科大学のように、小論文のなかに英語の和訳や英作文が入る大学もあります。
小論文は一次試験ではなく、二次試験の判定に使用する大学がほとんどです。
一般選抜の受験科目が少ない大学もある
私立大学には、例えば以下のように、一般選抜の受験科目が少ない大学があります。
・東海大学:英語、数学、物理・科学・生物より1科目選択
・帝京大学:英語、数学・物理・化学・生物・国語より2科目選択
・近畿大学:英語、数学、理科(物理・化学・生物より2科目選択)
・昭和医科大学:英語、数学または国語(古文、漢文を除く)、理科(物理・化学・生物より2科目選択)
選択する科目が他大学より少ない、数学の出題範囲が他大学より少ない、数学の代わりに現代文を使えるという理由で勉強の負担が多少軽減されます。
ご自身の学力に応じて、検討してみましょう。
大学入学共通テスト利用方式の受験科目
大学入学共通テストを一次試験とし、その後大学で二次試験を行う大学があります。
この方式を利用する場合、共通テストの対策を優先し、大学ごとの対策が軽減されるというメリットがあります。
しかし、大学によって必要な科目数が異なるため、募集要項の確認が必要です。主な科目は以下のとおりです。
・国語
・英語
・数学(Ⅰ・A、Ⅱ・B・C)
・理科(物理・化学・生物から2科目選択)
上記5科目に加え、地理歴史・公民(6科目より1科目選択)が必要な大学もあります。反対に、少ない科目で受験できる大学もあります。
例えば、杏林大学では必須科目は数学1科目で、英語か国語のどちらか1科目、物理・化学・生物より2科目の選択が可能です。
帝京大学では、必須科目が英語1科目で、国語・数学・理科より2科目を選択できます。
私立大学医学部の受験科目【二次試験】
二次試験では、多くの私立大学医学部で面接と小論文を実施する傾向にあります。
二次試験で学科試験を実施する大学の例は、以下のとおりです。
・東邦大学(統一入試):数学・理科(物理・化学・生物より2科目選択)・基礎学力審査(論理的思考力や数理解析能力など)・面接
・自治医科大学:数学・外国語・面接
一次試験も二次試験も学科試験を実施する大学があるように、大学によって試験内容が異なるため、大学の募集要項をしっかりと確認して対策するようにしましょう。
面接
集団面接・グループディスカッション・個人面接・MMIの種類があり、面接時間は約10~60分と幅があります。
面接を重視するのは、医師になって人を助けたいという純粋な想いよりも、地元で働きたい・安定した職業・成績がよいなどの理由で医学部を目指す受験生が増えたことが背景にあります。
「医師を目指したい」という強い思いや志望校への意欲を、自分の言葉で伝えるコミュニケーション能力が必要です。
大学のホームページでどのような資質・能力を持つ学生を求めているかを確認し、大学に合わせた面接対策をしましょう。
小論文
小論文は約50~90分で課題文を的確に読み取り・要約し、自分の倫理観を取り入れて、わかりやすい文章で表現することが求められます。
志望校の過去問や募集要項などで出題傾向を確認しておきましょう。
横浜予備校では、一人ひとりの志望校や課題内容に応じた対策を個別に提案しています。
無料相談では、経験豊富な講師があなたの課題や目標を丁寧にヒアリングし、適切な学習プランをご提案します。
効果的な小論文対策を進めるために、ぜひご相談ください。
私立大学医学部入試の出題傾向と対策
大学入学後の勉強を意識した問題で構成される傾向があります。
例えば、生物で人体の構造・ホルモン・臓器の役割など、医学部として必要な知識を出題される場合があります。
国語では、大学によっては近代以降の文章のみ出題されることもあります。基礎的な知識は、しっかりと理解して解けるようにしましょう。
横浜予備校では、大学ごとの入試の傾向と対策に対応できます。志望校の傾向や特徴をしっかり把握して、受験勉強をしていきましょう。
一般入試の各科目の配点傾向
各大学ごとに異なる配点を把握することが重要です。
例えば、英語の配点が高い大学では長文読解やリスニングの得点が合否に大きく影響しますので、志望校の配点に基づいて効率的な勉強計画を立てましょう。
2025年私立大学医学部の配点は、下記のとおりです。
・東北医科薬科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・国際医療福祉大学:英語200点、数学200点、理科200点(各100点×2科目)
・岩手医科大学:英語100点、数学100点、理科150点(各75点×2科目)
・自治医科大学:英語25点、数学25点、理科50点(各25点×2科目)
・獨協医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・埼玉医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・杏林大学:英語100点、数学100点、理科150点(各75点×2科目)
・慶応義塾大学:英語150点、数学150点、理科200点(各100点×2科目)
・順天堂大学:英語200点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・昭和大学:英語100点、国語または数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・帝京大学:英語100点、数学・物理・化学・生物・国語より2科目選択(各100点×2科目)
・東京医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・東京慈恵会医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・東京女子医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・東邦大学:英語150点、数学100点、理科150点(各75点×2科目)
・日本大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・日本医科大学:英語300点、数学300点、理科400点(各200点×2科目)
・北里大学:英語150点、数学150点、理科200点(各100点×2科目)
・聖マリアンナ医科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・金沢医科大学:英語100点、数学100点、理科150点(各75点×2科目)
・愛知医科大学:英語150点、数学150点、理科200点(各100点×2科目)
・藤田医科大学:英語200点、数学200点、理科200点(各100点×2科目)
・大阪医科薬科大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・関西医科大学:英語150点、数学150点、理科200点(各100点×2科目)
・近畿大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・兵庫医科大学:英語150点、数学150点、理科200点(各100点×2科目)、小論文50点
・川崎医科大学:英語100点、数学100点、理科150点(各75点×2科目)
・久留米大学:英語100点、数学100点、理科200点(各100点×2科目)
・産業医科大学:英語200点、数学200点、理科200点(各100点×2科目)
得意科目の配点が高い大学を選ぶことで、合格の可能性が高まります。
難問や長文読解で医療系の英文が出題される
難易度が高い問題は、どの受験生にとっても同じ条件です。
解けない問題があっても焦らず、解ける問題を一つずつ丁寧に解くことが大切です。
また、英語の長文読解では専門的な医療系の長文が多い傾向にあります。
単語や文法など基礎を固め、医療分野の英語にも親しんでおきましょう。
日頃から医療系の記事をよく読んだり、過去問や長文読解の問題集に取り組んだり、長文に慣れることが大切です。
面接は一般入試でも重視される
医学部では、多くの大学が二次試験で面接を実施しています。
医師は、人の命に関わる仕事です。
医師としてふさわしい人物かどうかを面接官は見ています。
医師に求められる資質は、以下のとおりです。
・研究意欲がある
・情報管理能力が高い
・地方でも働く意欲がある
・患者さんの治療のため、他職種と協力できる
・ネットリテラシーが高い
・コミュニケーション力が高い
医学についての知識を面接で聞かれることもあります。医学専門用語を正しく理解できるようにしておきましょう。
普段からニュースや新聞を確認し、医療を中心に、時事問題にも回答できるようにしておくことも必要です。
決められた時間内に、自分の考えを伝えられるよう、しっかりと練習しておきましょう。
小論文テーマは医療を中心に多岐にわたる
小論文に取り入れるとよい視点は以下のとおりです。
・高齢化社会や医療格差など、医療に関わる社会問題を取り上げる
・人工臓器の使用や遺伝子治療など、倫理的な問題について考察する
・病院でのボランティア活動や、医学関連の研究への参加で得られた経験を取り入れる
小論文は、ほかの受験生との差をつけるチャンスです。
「学科試験対策が大変で、小論文対策ができない」と後回しにしないでください。
医療問題や時事問題など、さまざまなテーマで練習しておきましょう。
正答が1つではないため、書いた小論文は予備校の先生に添削してもらうことがおすすめです。
私立大学医学部入試の特徴
私立大学医学部一次試験では、主に英語・数学・理科の学科試験が実施されます。
大学独自の問題が出題されるため、過去問を活用した対策が重要です。
また、大学入学共通テストでの受験も可能な場合があります。
自分にとって有利となるよう、入試方法を選択するのが大切です。
大学入試共通テストを利用するか、各大学の独自問題が出る一般選抜のみを受験するかで迷っている方は、周りの先生に相談してみましょう。
もちろん、横浜予備校では一人ひとり丁寧に受験校・受験方式のアドバイスを行っていきます。
大学によって科目数や配点が異なる
国公立大学では大学入学共通テストを利用するため、英語・数学・理科・国語・社会での受験が必要です。
私立大学では主に、一次試験で英語・数学・理科、二次試験で面接と小論文を実施することが多い傾向にあります。
大学によって科目数や配点が異なるため、事前の情報収集と対策が不可欠です。
偏差値が高い
私立大学医学部は、偏差値60.0以上であることがほとんどです。
慶応義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学・順天堂大学が、私立大学医学部四天王といわれ、難易度が高い大学とされています。
倍率が高い
ほとんどの国公立大学の倍率が6.0以下であるのに対し、私立大学の倍率は高い傾向にあります。
志願者数が多くなればなる程、倍率が高くなります。
入試の難易度は、必ずしも倍率と比例している訳ではありません。
2024年倍率の高い主な私立大学医学部は、以下のとおりです。
・日本医科大学:前期10.5/後期42.4
・金沢医科大学:前期24.5/後期86.9
・久留米大学:前期7.8/後期99.6
・聖マリアンナ医科大学:前期38.6/後期145.2
・関西医科大学:前期12.4/後期57.3
・獨協医科大学:前期17.8/37.1
・昭和医科大学:前期8.2/後期46.7
・日本大学:前期9.7/後期65.8
・藤田医科大学:前期6.3/後期48.0
・帝京大学:35.9
複数校を併願受験しやすい
私立大学は、複数校を併願受験が可能です。
合格しても入学を辞退する受験生がいるため、補欠合格者が繰り上がる大学がほとんどです。
一次試験と二次試験の入試日が被っていると、併願受験できないため、注意しましょう。
横浜予備校では、併願受験のスケジュール調整や各大学の入試日程に合わせた戦略的な対策をサポートしています。
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私立大学の医学部受験科目を把握して効果的に対策しよう
私立大学医学部は、大学独自の試験のため、受験科目の把握や対策が必要です。
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