一方で、中学生が高校内容に早く触れるため、特に最初の学習でつまずきやすいともいえます。通常は高校1年生で学ぶ内容が含まれているため、中学生にとっては内容が高度に感じられ、理解するのに苦労することも少なくありません。
以下では、このような体系数学の勉強法やテキスト・問題集の使い方、対策方法を紹介しています。体系数学についていけるか不安な方や塾や予備校を検討している方の参考になれば幸いです。
目次
- ○ 体系数学とは
- ・数学の概念を自然な流れで学べる
- ・授業進度が速い
- ・内容が高度である
- ・授業についていけなくなるケースもある
- ○ 体系数学の勉強法
- ・テキストの例題を読み解く
- ・【授業対策】確認問題や基本問題で基礎固めをする
- ・【定期テスト対策】演習問題や標準問題を解く
- ・問題を解いた後はパーフェクトガイドを活用する
- ・【入試・高校数学対策】テキストの理解と問題集を繰り返す
- ○ 体系数学の対策方法
- ・わからないまま放置しない
- ・学校で習う前に予習しておく
- ・復習を入念に行う
- ・日常的に課題に取り組む
- ○ 効率よく体系数学を勉強するなら塾・予備校の活用もおすすめ
- ○ 体系数学を効果的に使うために大切なポイント
体系数学とは
体系数学は、中高6年間で学ぶ数学を分野ごとにまとめた教材です。中学校と高校の内容を再編成してあるため、効率よく学習が行えます。しかし、進度が速く、内容が高度でつまずきやすいこともあります。
数学の概念を自然な流れで学べる
体系数学は、中高で学ぶ数学の範囲を体系的にまとめてあるため、数学の概念を自然な流れで学べるでしょう。
例えば一般的な検定教科書では①一次方程式を中1、②連立方程式を中2、③一次不等式を高一で学びます。しかし、体系数学では①〜③を中一の間に連続して学習します。
似た概念を学ぶのであれば、間隔をあけずに一連の流れで学ぶほうが理解が進むでしょう。
授業進度が速い
体系数学を取り入れている学校のほうが、授業の進行度が速いとされています。
体系数学はシリーズで1〜5まであり、1と2は代数編と幾何編、3では数式・関数編と論理・確率編に分かれています。
このシリーズを中高の6年間で行うため、高校1年生の1学期終了時にシリーズ3まで進んでいる学校が少なくありません。
1冊に普通の教科書の2年分に相当する内容が入っているため、授業速度が速くなる傾向にあるのです。
内容が高度である
体系数学では、内容を高度に感じるかもしれません。
体系数学は従来の検定教科書とは習うタイミングが異なるためです。
例えば、中学校の学習指導要領では一次方程式は中学1年生で習い、連立方程式は中学2年生で習います。そして、不等式は高校1年生で習う流れです。
しかし、体系数学では、1次方程式・2次方程式・不等式を中学1年生で習います。そのため、内容が難しいと感じる方も出てきます。
授業についていけなくなるケースもある
体系数学の内容が高度なため、1つのことがわからないと、授業についていけなくなるケースも出てくるでしょう。
体系数学では、一次方程式の後に連立方程式を学びます。一次方程式でわからなくなると、連立方程式に進んでもわからない可能性があるため、授業を聞いていても理解が進みません。
理解が進まないと、学習の意欲も低下して、数学の勉強がないがしろになっていきます。そのため、わからないまま放置しないような工夫が必要になるでしょう。
体系数学の勉強法
体系数学の勉強法には、テキストの例題を読み解く方法や状況に応じた問題を解く方法があります。以下を参考にして、自分に合った方法を探してみましょう。
テキストの例題を読み解く
まず、テキストの例題を読み解いて、公式や定理を大まかに把握しましょう。
実際に問題を解いてみないと、具体的な解き方や公式の使い方などはわかりません。そのためにも初めのステップで例題を解いてみましょう。公式や定理の理解度が少し深まり、解けたことで自信にもつながります。
間違えても丁寧に解説がされているため、自分の理解がおよんでいないところが明確になります。そのため、例題を読み解くところから始めるのがおすすめです。
【授業対策】確認問題や基本問題で基礎固めをする
例題で公式や定理などが把握できたら、確認問題や基本問題で基礎固めをしましょう。
基本問題は解き方や考え方を定着させるために行う問題です。
確認問題は、例題に比べると難しいため、解き方を理解しているかが確認できます。
公式や定理の理解が曖昧なままでは、確認問題や基本問題でつまずくでしょう。
そのため、間違えた際には例題に戻って理解を深めると、基礎も固まってきます。
この段階では、解き方を覚えるのではなく、解き方を説明できるようになることを目指しましょう。そうすると、授業にもついていきやすくなります。
【定期テスト対策】演習問題や標準問題を解く
基礎が固まったら、実力をつける段階です。そのため、この段階では演習問題や標準問題を解いて、実力アップを図っていきましょう。
演習問題は、章末にある応用問題で、自分の実力を確認するのに適した問題です。標準問題も章末問題に関連した問題を扱っており、その単元での実力が把握できます。
この段階で間違えても自分の苦手な範囲が特定できたととらえ、その分野の例題や確認問題を復習する機会にしましょう。曖昧な分野が減り、自分の実力も養われていきます。
問題を解いた後はパーフェクトガイドを活用する
問題を解いた後にパーフェクトガイドを活用すると、学習プロセスの強化につながります。パーフェクトガイドは、テキストに対応しており、より理解度が深まる内容です。
そのため、パーフェクトガイドを活用すると、学んだ単元の応用力や数学の理解度がより向上するでしょう。
パーフェクトガイドは、以下のような内容で構成されています。
・学習の目当て
・学習のポイント
・テキストの解説
・テキストの解答
・確かめの問題
・実力を試す問題
この構成のとおりに行っていくと、問題を解決する際の思考の流れが形成されるでしょう。繰り返すことで習慣化されると、この流れが強化されていきます。
そうすると、ほかの公式や定理にも応用が効くため、学習自体のプロセスがより強化されるでしょう。
【入試・高校数学対策】テキストの理解と問題集を繰り返す
入試や高校数学の対策には、テキストの理解を深め、問題集を繰り返し解きましょう。
まずは、復習も兼ねてテキストで概念を大まかに把握し、例題で具体的な解き方を振り返ります。次に、基本問題・標準問題・発展問題を解いていきましょう。
これらの問題を2周解き、間違えた箇所はチェックをして、3周目以降に理解を深めていきます。すべての問題を正答するのが目標です。学習の総仕上げに章末問題を行います。自分の理解度もわかり、応用力も身につくでしょう。
学習は試験でよい点が取れるように、自分で計画・管理して進めていかなければなりません。
横浜予備校では、中高一貫校の生徒一人ひとりの学力や理解度に基づいたプロ講師による個別指導を行い、学校の進度やカリキュラムにぴったり合わせた補習やサポートを提供しています。
また、プロ講師によるマンツーマンの個別指導授業だけでなく、先生と一緒に復習をするハマトレで多くの自習時間を確保していきます。
もちろん、先生が目の前にいるので質問をしながら勉強をすすめることができます。さらに、体系数学を効率的に進めるために、専属コーチとの自学自習管理も行います。
志望校や学習目標に合わせたプランを無料カウンセリングでご提案いたします。学校の学習に不安がある方や、受験に向けた戦略を練りたい方もぜひご相談ください。
体系数学の対策方法
体系数学の対策方法には、放置しないことや予習・復習を行うことが挙げられます。以下で詳しく紹介します。
わからないまま放置しない
体系数学は、授業進行も速く内容も高度に感じやすいため、わからない箇所がでてくるでしょう。
わからない箇所が出てきたときは早めに解決することが重要です。わからないことを解決するためには、その日の内容をしっかり復習し、練習問題を通して「どこがわからないのか」を明らかにすることが大切です。
また、わからないことを先生や友人に聞き、その場で解決するのも1つの方法です。わからないまま放置してしまうと、わからないことが続き、授業を受けることが苦痛になっていきます。そうならないためにも、わからないまま放置しないようにしましょう。
学校で習う前に予習しておく
学校で習う前に予習をしておくことで、授業内容の理解を助け、授業への意欲向上にもつながるでしょう。
事前に内容に少しでも触れておくと、初めて知る公式や定理への抵抗感が下がり、わかっている点とわかっていない点も明確になります。授業中に初めて聞くと言葉の意味や考え方がわからなくなり、授業への集中がきれてしまう場合もあります。
しかし、予習をしておくことで、授業では理解できていない点に集中して臨めるでしょう。学校の授業を復習のような感覚で受けられれば、授業での理解度が深まり、復習時間の短縮や復習の質の向上にもつながります。
復習を入念に行う
学んだ内容や知識の理解を深め、自分の知識として定着させるためにも復習を入念に行いましょう。復習は、理解した内容を定着させる段階です。予習や授業で学んだことを1回で完全に理解・記憶するのは難しいです。
そのため、復習が重要になります。復習で重要なのは、復習のタイミングです。学習してから1時間・1日・7日・1ヶ月後には、56%・74%・77%・79%は忘れるとされています。
しかし、学習してから2日・7日・1ヶ月後に復習を行うと、90%は内容を覚えていることが報告されています。学習直後の記憶は曖昧な部分があるため、繰り返すことで固定されていくのです。
理解を深め、知識を定着させるためにも入念に復習を行うようにしましょう。
日常的に課題に取り組む
予習を行い、授業を聞いてわかったつもりでいても、実際に課題を解いてみるとできないことがあります。そのため、日常的に課題に取り組むようにしましょう。
数学を習う目的は、数学的な処理の仕方や表現の獲得、数学的に考える能力を養うためです。
能力の度合いを確認するのが、学校での試験です。試験は今まで習ったことのアウトプットでもあります。そのため、復習の際には課題を解くことで理解を深め、記憶をアウトプットすることが試験対策にもつながります。
効率よく体系数学を勉強するなら塾・予備校の活用もおすすめ
体系数学を効率よく勉強するために、塾や予備校を活用するのも一つの手です。
中高一貫校では、授業速度が速く同じ分野をまとめて学習する体系数学では、一度つまづくとその後の内容を理解するのは難しくなります。そうなると、授業についていけなくなり、わからない状態が続きます。
わからない箇所を毎回解消できていれば問題ありません。ただし、初めて学ぶことも多いため、自分だけで解決していくのは時間がかかるでしょう。
横浜予備校の中高一貫コースでは体系数学をプロ講師と一緒にマンツーマンで勉強をしていきます。授業では「分かった!」が早く積みあがりますがまだ、解けるようにはなりません。
そこで、週に数学だけでも最大15時間、先生と一緒に数学を復習する時間を設けています。この時間を利用することで先生に質問しながら、多くの問題に触れ数学を得意にしていくことが出来ます。
さらに、学習をすすめるには学習管理も必要です。横浜予備校では専属コーチが一緒に自学自習の管理を行うので自習習慣をつけることもできます。
体系数学を効果的に使うために大切なポイント
体系数学を効果的に使うために大切なポイントは、状況に応じた使い方ができるかと、継続して勉強できるかの2点です。
体系数学は、体系数学の勉強法でも紹介したように状況に応じた使い分けができます。自身の理解度と試験の状況に応じて、解く問題を変えると、効果的に進められます。
例えば「定理の理解が曖昧だと感じたら例題に戻り、確認テストの前には応用問題で自分の理解度を試す」といった方法が有効です。ただ繰り返して問題を解くだけでは、問題が変わった際に対応が難しくなります。
また、公式や定理を使う際には、どうしてその公式を使うのか、どのように導き出したかを考えるようにしましょう。これを日々の学習に加えるだけで、応用力が身についてきます。
また、間違えた際にも間違えた原因や理解している範囲などを把握するために解説を理解しましょう。体系数学では、難しい問題や苦手な分野も出てくるため、やる気が出ないときもあります。そういった際にも予習・復習を続けていくことで、学習自体の力も数学を解く力もついていきます。
体系数学を解く気が出ない際には、学習の目当てや学習のポイントだけ読んでみる、好きな分野の問題だけ解いてみるなどがやる気を上げることにつながります。
横浜予備校では、プロの講師が教えてくれるため、体系数学の効果的な勉強方法やつまづきそうな分野も把握しています。
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