A TRUE STORY 01
3月。
彼は、便箋5枚の手紙を書き始めた。
偏差値41の高校。同じ夢を語れる友人は、一人もいなかった。武器は「早稲田への憧れ」だけ。
迎えた2月——法政、明治、慶應、正規合格。
でも、本命の早稲田だけが「補欠」だった。
彼が次にとった行動は、誰も予想していなかった。
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入塾したその日から、彼に「休日」はありませんでした。しかし努力とは裏腹に、模試の成績は最後まで無情でした。ある日、彼はうつむいたまま、こう言いました。
「俺、もともと頭がちっちゃいから……」
その痛いほどの「本気」に、私たちも覚悟を決めました。英語も国語も、完全マンツーマンへ。授業のない日も、彼は自習席から動きませんでした。
そして3月。補欠の通知を受け取った彼は、便箋5枚の直筆の嘆願書を書き上げ、大学へ送り、待ち続けました。
3月中旬——早稲田大学から、『繰り上げ合格』の通知が届きました。
私たちが見ているのは「過去」でも「現在の偏差値」でもありません。
「どうしてもそこに行きたい」という、その本気です。
※合否を決めたのは、嘆願書ではありません。便箋5枚を書くほどの本気で1年間を走り切った、その積み重ねです。(繰り上げ合格は大学の選考によるものです)
A TRUE STORY 02
合格発表の日。
彼女は自習席で、ペンを握ったまま泣いていた。
地方から一人で横浜に来た女の子。知り合いも、頼れる人もいない。
浪人を決めた年の共通テストは、500点台だった。
朝7時の開錠から夜22時の消灯まで、1日も休まずに自習室に来た。大晦日も、正月も。
その日々の連続が、彼女に何を返したのか。
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誰よりも早く自習室に来て、誰よりも遅くまで残る。それが彼女の一年でした。特待生でもなければ、選抜クラスがあったわけでもありません。あったのは、120席の中の、彼女だけの席でした。
そして合格発表の日、一通のLINEが届きました。
「受かりました」
駆けつけると、彼女は自分の自習机にいました。国公立大学の医学部——合格。
それなのに、泣きながら、まだペンを握っていたのです。
特待生なし、選抜クラスなし。あるのは、自習室を使い倒す覚悟だけ。
120席の中の、彼女だけの席が——合格という2文字を、現実にしました。