
医学部の二段階選抜は、志願者が多い大学で共通テストを一次試験として合格ラインに達した方のみ二次試験に挑戦できるという制度です。
志願者の質を高めて、必要な能力を持った方のみ医学部に進むことを目的とした制度です。
この記事では二段階選抜がなぜ行われているのか、全国の大学でどこが実施しているのかなどについて詳しく紹介していきます。
目次
二段階選抜について

二段階選抜とは、志願者が多い医学部などで行われています。試験を二段階に分けて行う選抜方法です。
すべての学校が実施しているわけではないので、気になる方は学生募集要項を読んでみるとよいでしょう。
二段階選抜の詳しい内容と行われる理由については以下で詳しくご紹介します。
二段階選抜とは
二段階選抜とは国公立大学やセンター利用の私立大学で行われている制度で、志願者が多い学部で共通テストを一次試験として、各大学が決めている合格ラインに達した方が二次試験に進める制度です。
二段階選抜はその大学が定めた倍率を超えた場合のみ行われるので、毎年行われるものではありません。
自身が受けたい年度に実施されるかどうかは、その年に発行される学生募集要項を参考にするとよいでしょう。
二次試験に進むための、一次試験の合格ボーダーラインも各大学の募集要項に記載されているので必ず確認してから、試験に向けて勉強していく必要があります。
このボーダーラインを超えないと二次試験には進めません。
二段階選抜が行われる理由
二段階選抜が行われる理由は志願者が多い場合に、効率よく選抜を行うため、受験生を絞る目的で行われます。
特に医学部では教育の質を保つために、ある程度厳しい基準を設けて選別を実施しています。
理由としては、医療現場の前線に立つ医師という仕事は多くの知識と技術が必要だからです。
それを得るためには、ある程度土台として教育を吸収できる人材が必要です。
そのため二段階選抜を行って、必要な能力を持つ人材を確保します。
出願するかの判断はどのように行うか

自身が出願するかどうかの判断は、これまでに行われた選抜のボーダーラインや志願者の倍率などのデータと合わせて行うとよいでしょう。
また大学によって二次試験の出題形式や試験の配点などが違うため、出願する際は中身も把握しておく必要があります。
また科目別の配点も確認し、自分の得意・不得意の科目と試験の配点を照らし合わせて、戦略的に判断することも重要です。
共通テストが終わって、ボーダーラインぎりぎりで二次試験に進む方も、同じような内容を確認する必要があります。
二段階選抜の実施状況

二段階選抜の実施状況は各大学によってさまざまです。
またその年に行われても、次の年には行われないということもあります。
昨年は実施したので、今年も実施するだろうと思い込むのではなく、必ず確認するようにしましょう。
志望者の人数によって試験の必要得点も変わってくるので、毎年しっかり調査しておくことが大切です。
ここからは地方ごとの大学で、二段階選抜が行われることが多い場所を紹介していきます。
北海道地方
北海道地方では、旭川医科大学の医学部が二段階選抜を行うことが多いです。
予告の倍率は5倍で、後期は募集人数が少ないこともあり倍率が10倍近くになります。
前期の二次試験は英語・数学・面接、後期は英語・面接と科目数が少ないことも人気の理由です。
面接では自己評価書と調査書を提出し、コミュニケーション能力や協調性、意欲などを評価します。
2025年前期は非実施ですが、後期は15.3の倍率で実施されています。
一次試験の得点率は80%で、二次試験は60%です。
東北地方
東北地方で実施されることが多い大学は以下の3つです。
・東北大学
・秋田大学
・福島県立医科大学
東北大学では一部の学部で二段階選抜が行われています。
ただし、医学部は前期日程のみの募集となっており、後期試験は実施されていません。
前期の倍率は4〜5倍前後です。
医学部の二次試験は理科と数学、英語と面接試験が行われます。
秋田大学では医学部で行われることが多いです。
倍率は前期で5倍、後期は13〜14倍です。
二次試験は数学・英語・面接に加えて、後期では小論文が行われます。
得点率は共通テストと二次試験ともに80%前後です。
福島県立医科大学の倍率は4倍前後です。
二次試験は、数学・理科・英語が行われます。
得点率は70%前後です。
関東地方
関東地方の医学部がある大学で二段階選抜を実施していることが多い場所は6つあります。
それぞれの大学について以下でご紹介します。
・筑波大学
・群馬大学
・千葉大学
・東京大学
・東京医科歯科大学
・横浜市立大学
筑波大学医学部は倍率2.5で、二次試験の内容は数学・理科・英語です。
加えて、適性検査と面接が行われます。
得点率は75〜80%前後です。
群馬大学は倍率3倍を超えると二段階選別が実施されます。
二次試験は理科・数学に加えて、小論文と面接が行われます。
得点率は75%以上が目標です。
千葉大学は前期は2.5倍で二段階選抜が行われることがあります。
二次試験では数学・理科・英語・面接が課され、得点率は80%以上が目安です。
また、2025年度時点では後期試験の実施はありません。
東京大学は予告倍率は5倍ですが、実際は10倍を超えていることが多いです。
二次試験の教科は国語・数学・理科・英語で、得点率は85〜95%となっています。
東京医科歯科大学医学部は、前期倍率は4倍以上、後期は10倍以上で行われます。
二次試験の教科は数学・理科・英語に加えて面接が実施されます。
得点率は70%前後です。
横浜市立大学は2.5倍以上で二段階選抜が実施され、二次試験の教科は理科・英語・数学です。
得点率は85%以上となっています。
甲信越地方
甲信越地方で二段階選抜が行われている医学部大学は3つです。
・山梨大学
・信州大学
・新潟大学
山梨大学は10倍以上で二段階選抜が行われますが、超えていることが多いです。
二次試験の内容は数学と理科が行われます。得点率は90%前後です。
信州大学の倍率は3倍以上で、二次試験は数学・理科・英語・面接が行われます。
面接と他の3科目(数学・理科・英語)の配点が同等に設定されているのが特徴です。
得点率は75〜80%前後です。
新潟大学は4倍以上で行われ、二次試験は数学・理科・英語が行われます。
得点率は、75〜85%です。
北陸地方
北陸地方で二段階選抜が行われている医学部大学は全部で3つです。
・富山大学
・福井大学
・金沢大学
富山大学は5倍以上で二段階選抜を行い、二次試験は数学・理科・英語・面接が行われます。
得点率は75〜80%前後です。
福井大学は前期5倍、後期は7倍で二段階選抜を行います。
二次試験は数学・理科・英語・面接が行われ、得点率は75〜80%前後です。
金沢大学の倍率は3倍で二段階選抜を行います。
二次試験は数学・理科・英語・面接です。
得点率は77〜80%前後です。
東海地方
東海地方で二段階選抜が行われている医学部大学は全部で5つあります。
・岐阜大学
・浜松医科大学
・名古屋大学
・名古屋市立大学
・三重大学
岐阜大学は倍率が3倍で行われ、二次試験は数学・理科・英語で実施します。
得点率は75〜80%です。
浜松医科大学は前期4倍、後期10倍で二段階選抜が行われます。
二次試験は数学・理科・英語・面接です。
得点率は73〜80%前後です。
名古屋大学は前期2.5倍、後期12倍で二段階選抜が行われます。
二次試験は国語・数学・理科・英語で得点配分は国語が一番低いです。得点率は80〜85%前後です。
名古屋市立大学は倍率が3倍で二段階選抜を行い、二次試験は数学・理科・英語・面接が行われます。
理科の得点配分が一番高いのが特徴です。
得点率は75〜85%前後です。
三重大学は前期5倍、後期15倍で二段階選抜が行われます。
二次試験は数学・理科・英語・面接を行い、得点率は75〜80%前後です。
近畿地方
近畿地方の二段階選抜が行われる医学部大学は6つあります。
・滋賀医科大学
・京都大学
・大阪大学
・大阪公立大学
・奈良県立医科大学
・和歌山県立医科大学
滋賀医科大学は倍率4倍で二段階選抜を実施し、二次試験では数学・理科・英語を行います。
得点率は75〜83%です。
京都大学は前期3倍、後期は3.5倍で二段階選抜が行われます。
二次試験は国語・数学・理科・英語が行われ、得点配分は国語は一番低く、次に数学という順になっています。
得点率は、65〜75%です。
大阪大学は倍率3倍で二段階選抜が行われます。
二次試験は英語・数学・理科・面接です。
得点率は70〜80%前後となっています。
大阪公立大学は倍率3倍で二段階選抜が行われ、二次試験は数学・理科・英語です。
得点率は80〜87%です。
奈良県立医科大学は前期1.5倍、後期14倍で二段階選抜を行います。
二次試験は小論文のみなのが特徴です。
得点率は70〜75%です。
和歌山県立医科大学は倍率3.4倍で二段階選抜を行い、二次試験は数学・理科・英語で得点配分で低いのは、英語です。
得点率は75〜80%となっています。
中国地方
中国地方で二段階選抜が行われている医学部大学は4つです。
・鳥取大学
・島根大学
・岡山大学
・山口大学
鳥取大学医学部は倍率4.9倍で二段階選抜が行われ、二次試験は数学・理科・英語・面接の3つが行われます。
得点率は75〜80%前後です。
島根大学の医学部は倍率8倍で二段階選抜を行い、二次試験は英語・数学・面接で理科がないところが特徴です。
得点率は69〜72%になります。
岡山大学は倍率3倍で二段階選抜を行い、二次試験は数学・理科・英語です。
理科の得点配分が低く設定されています。
得点率は80〜85%です。
山口大学は前期は7倍、後期は15倍で二段階選抜を行います。
二次試験は英語・数学・理科・面接が行われ、得点率は75〜80%です。
四国地方
四国地方で二段階選抜が行われている医学部大学は3つあります。
・徳島大学
・愛媛大学
・高知大学
徳島大学は倍率5倍以上で二段階選抜が行われ、二次試験は数学・英語です。
理科がないところが特徴で、得点率は75〜85%になります。
愛媛大学は倍率6倍で二段階選抜が行われ、二次試験は数学・理科・総合問題・面接です。
得点率は75〜80%前後になります。
高知大学は前期・後期ともに4倍以上で二段階選抜が行われ、二次試験は数学・理科・英語・面接です。
得点率は75〜80%です。
九州沖縄地方
九州沖縄地方で二段階選抜を行うことが多い大学は3つあります。
・九州大学
・熊本大学
・琉球大学
九州大学は倍率2〜4倍で、二次試験では数学・理科・英語が行われます。
得点配分は英語より低く設定しています。得点率は85%前後です。
熊本大学は4倍で二段階選抜を実施し、二次試験は数学・理科・英語・面接でどの科目も得点配分が同じになっています。
得点率は、75〜80%です。
琉球大学は3倍以上で二段階選抜を行い、二次試験は数学・理科・英語・面接です。
得点率は75〜80%になります。
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二段階選抜を突破するための対策

二段階選抜を突破するための対策は共通テストのボーダー得点を確認することと、配点比率を確認することです。
どちらも各年度の学生募集要項に記載されているので、確認するとよいでしょう。
共通テストのボーダー得点を確認する
まず対策の一つ目として、共通テストのボーダー得点を確認することです。
志望大学の二次試験に進むためのボーダー得点をみて、自分の実力と合格条件までの差を把握すると、適切な学習計画が立てられます。
また共通テストの大まかな点数から二次試験は何点とる必要があるかも計算できるので、確認しておくとよいでしょう。
配点比率を確認する
次の対策は配点比率の確認です。
共通テストと二次試験の配点比率が大学によって異なるので、確認する必要があります。
ときには面接が得点に含まれていることもあるので、自身がどこを中心に学習しておくとよいのかを確認するためにも把握が必要です。
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自分に合った勉強法で確実に力をつけたいとお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
医学部の二段階選抜を正しく理解し受験準備を行おう

医学部の二段階選抜は、その年によって行われるかどうか変わります。
合格のボーダーラインや実施するのかどうかなどは学生の募集要項をしっかり確認していきましょう。
得点比率を確認し、自身が一次試験と二次試験でどの程度得点をとる必要があるのかを確認し、目標点数に向けて準備をしていくとよいでしょう。
横浜予備校では、医学部受験に特化したプログラムを複数展開しており、豊富な指導経験を持つ講師陣が、一人ひとりの目標に合わせた丁寧な指導を行っています。
短期間で成果を出すための効率的なカリキュラムが整っており、実際に4ヶ月で偏差値を25アップさせたケースもあります。
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また、生徒専用の自習室も用意されており、自分だけでなく周囲の努力も感じながら、集中して学習を進められる環境が整っています。
さらに、医学部では二次試験で面接や小論文が課されることも多く、横浜予備校ではそれらに対応した対策指導も受けられます。
学科だけでなく、総合的に受験準備を進めたい方にとって、心強いサポート体制が整っています。
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