目次
- ○ 難関大学の試験時間と総単語数の例
- ○ WPMとは?
- ○ 速読力を高めていくために効果的な勉強法
- ・音読
- ・なぞり読み
- ・シャドーイング
- ・多読
- ○ まとめ
難関大学の試験時間と総単語数の例
それでは最初に、実際の入試問題ではどの程度の単語数の文章が出題されるのかを、いくつかの入試問題を参考に紹介します。
大学名/総単語数/試験時間
共通テストリーディング/6127語/80分
東京大学/5721語/120分(リスニング30分)
早稲田大学政治経済学部 3680語/90分
慶應義塾大学理工学部/1000語/90分
共通テストは全て読解問題なので、特に時間制限が厳しいと言えます。それ以外の大学は、自由英作文や単語の穴埋め問題等もあるため、実際に読まないといけない文章量はそれほど多くならないこともあります。
WPMとは?
次に、速読の指標であるWPMについて紹介します。WPMは、”words per minute”の略で、1分間に読める単語数を表すものです。例えば、WPM100の場合は、1分間に100単語を読むことができることになります。一般的に、難関大学を目指す場合はWPMが150あることを求められます。共通テストリーディングを例にすると、WPM100の学生が文章を読み終わるのにかかる時間はやく60分であるのに対し、WPM150の学生は、40分で読み終えることができます。残った時間は解答の吟味や見直しのために使えるため、速く読めた方が点数が上がる可能性が高いのは明白でしょう。難関大学は文章自体が難しいことに加えて設問も難しく作られているため、十分に考える時間を取る意味でも、速読力が合否の鍵になります。
速読力を高めていくために効果的な勉強法
それでは、実際に、どのような勉強法をすれば速読の力が付くかを解説します。人によって合う合わないがありますので、色々試してみて、マッチするものを継続してみてください。
音読
音読は英語の最も基本的な学習法の一つです。文章を声に出して読むことで、さまざまな効能を得ることができます。まず、声に出して読まないといけないため、自然と単語の正しい発音を身に付けることができます。次に、文章のどの部分で区切ったら文章が読みやすく(訳しやすく)なるかが分かります。そして、音読のペースを上げながら繰り返し読み続けることで、次第に文章を読む速さが上がっていきます。ここで大事なのは、必ず文章の意味を理解できる速さで読むことです。単に単語の羅列のように読んでいては効果がありません。最初はゆっくりでも良いので、自分が文章の内容を把握できる速度で読み始めます。継続していく中で、自然と、声に出さずに目で読んだ方が速くなる段階へ移行できます。
なぞり読み
なぞり読みも速読のためによく勧められる方法です。文章の下に指を置き、一定の速度で横にスライドさせます。そして、この指の速度に合わせて文章を読んで訳していきます。ポイントは、指の速度を一定に保つことです。こうすることで、どこかで速くなったり逆に特定の部分で読むのが遅くなったりすることを防げます。音読と同様に、だんだんと指を動かす速度を上げていけば、それにつれて文章を読む速さも上がっていきます。
シャドーイング
シャドーイングはリスニング力を高めつつ速読の力も身に付けられる勉強法です。さまざまなやり方がありますので、今回はそのうちの一つを紹介します。まず、音声データが付属している長文等のテキストを用意します。そして、音声データを聞き始めたら、それに追随するようにして自分も発声します。この時、テキストは見ながら行った方が良いでしょう。シャドーイングを行うことによって、ある程度の速度のある音源を先生として学習ができます。自分だけで実施する音読では、ダラダラ学習してしまうこともありますが、シャドーイングならば、一定の速度で音源は進んでしまうので、それに合わせるように勉強しないといけません。こうすることで、強制的に文章を速く読む感覚を掴もうという狙いがあります。
多読
最後に紹介する多読は、その名前の通り、たくさんの文章を読む勉強法です。ここまでに速読力を高める方法をいくつか紹介しましたが、これらを実施しつつも、まずは英語の文章に慣れていくことが最重要と言えます。英語の文章でよく使われる書き方や文法に慣れたり、文章を先頭から順番に訳していく感覚を覚えたりということがこれに当たります。学校の宿題や他の科目の勉強もあって大変だとは思いますが、理想を言うならば、1日1題は英語長文に触れるようにしたいです。速読力がついてくれば、500単語程度の文章は3〜5分で読み終えられるようになります。ここまでくれば、読むことに苦労することはなくなり、どんどん経験値が蓄積していきます。
まとめ
速読力を高める方法を4種類紹介しました。もちろんこれらを組み合わせて学習することも有効です。まずはWPM100程度を目指し、そこからさらに練習を重ねて150に到達できれば合格といったところでしょう。