
大学受験は、志望校や受験方式によってスケジュールや準備が大きく異なります。
「国公立と私立で何が違うの?」「どのタイミングで出願するの?」といった疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
受験の流れをしっかり把握しておくことは、計画的な学習を進めるうえでとても重要です。
この記事では、国公立大学・私立大学それぞれの受験の仕組みやスケジュールを詳しく解説します。また、受験計画を立てる際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
国公立大学受験の種類と仕組み

一般選抜
国公立大学の一般選抜は、主に大学入学共通テスト(以下、共通テスト)と二次試験(個別試験)の2段階で構成されています。この受験方式は、学力試験を重視するもので、多くの受験生が挑戦する一般的な方法です。
共通テストは1月中旬に全国一斉で実施される試験で、国語・数学・英語・理科・社会などの複数科目があり、志望する学部や学科に応じて受験科目が異なります。
国公立大学の場合、共通テスト実施後に出願期間が設けられているため、共通テストの自己採点結果によって、志望校のランクを下げるなど出願する大学の変更も可能です。
二次試験は各大学が独自に作成する試験で、学力試験だけでなく、面接や小論文を課すこともあります。大学や学部によって重視するポイントが異なるため、志望校の募集要項をしっかり確認しておくことが重要です。
また、二次試験は前期日程・後期日程の2つに分けて実施されます。公立大学に限ってはこれらの日程に加えて、中期日程も存在するため、最大3回の受験が可能です。
募集人数の割合は、後期日程と比べて前期日程のほうが高いです。加えて前期日程で合格した場合、後期日程での受験資格は失われます。
そのため、前期日程で第一志望の大学を受験することが一般的です。
総合型選抜・学校推薦型選抜

国公立大学でも、総合型選抜や学校推薦型選抜を実施している大学が増えてきています。
これらの推薦型入試は学力試験だけでなく、高校での成績や活動実績、志望理由などを総合的に評価する方式です。
ただし、大学によっては共通テストが課される場合もあるため、学習面での準備も欠かせません。また、共通テストを課す場合と課さない場合では、受験スケジュールが大きく異なる点も注意しましょう。
総合型選抜は、主に自己推薦書・面接・小論文・プレゼンテーションなどを通じて、受験生の意欲や適性を確認する試験です。
出願条件は、学校選抜型推薦に比べて緩やかな場合が多いです。しかし、大学側が時間をかけて総合的に評価する入試方式のため、一般選抜や学校推薦型選抜と比べて受験生側も労力がかかる特徴があります。
学校推薦型選抜は、高校からの推薦を受けて出願する方式で、指定校推薦と公募推薦の2種類に分かれます。
指定校推薦は高校が特定の大学に推薦枠を持つ場合に利用できる制度で、推薦枠を超えた希望人数がいる場合は、先に学内で選考が行われることが一般的です。
一方公募推薦は大学の出願条件をクリアしていれば、誰でも受けられる試験です。どちらの推薦を受けるにも、一定の成績基準を満たす必要があるため、日頃から努力を積み重ねる必要があります。
推薦型入試は、学力だけでなく、自身の強みや将来の目標を明確に伝えることが重要なポイントです。
推薦型入試を希望する場合は、一般選抜と比べて受験スケジュールが早いため、早い段階から必要な書類作成や面接対策を進めておきましょう。
私立大学受験の種類と仕組み

私立大学の受験方式も多岐にわたり、受験生の状況や目標に応じて選ぶことが可能です。
ここでは一般選抜・総合型選抜・学校推薦型選抜・大学入学共通テストを利用した方法を解説します。
一般選抜
私立大学の一般選抜は、大学が独自に実施する学力試験を受ける方式です。国公立大学と異なり、共通テストを利用しないケースがほとんどで、各大学の試験に直接挑むことになります。
一般選抜では、国語・数学・英語・理科・社会の中から志望学部に応じた科目を受験します。
国公立大学の場合、原則として6教科8科目が課されるのに対し、私立大学の場合は3教科または2教科以下で受験できる大学が少なくありません。ただし、試験科目や配点は大学ごとに異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
総合型選抜
私立大学の総合型選抜は国公立大学と同様に、学力だけでなく受験生の意欲や適性を重視する方式ですが、選抜方法は多岐にわたります。
自己推薦書をはじめとする書類選考に加え、面接や小論文などを通じて、大学側は受験生の人間性や将来性を見極める仕組みです。
また多くの私立大学では対話型の総合型選抜を実施しており、複数回の面接を行うことで、志望する大学・学部への適性や学ぶ意欲を確認しています。
高校時代の活動実績やボランティア経験、部活動の成果などを整理し、志望校に対してどのように貢献できるかを明確に伝えることが重要です。
総合型選抜は専願での出願がほとんどですが、一部の私立大学では併願を許可していることがあります。専願の場合は受かったら進学したい大学を受験するようにしましょう。
学校推薦型選抜
私立大学の学校推薦型選抜は、指定校推薦と公募推薦に分かれます。
指定校推薦は、特定の高校に与えられた推薦枠を利用して出願する方式です。高校内での成績や生活態度が評価基準となるため、日頃の学校生活を大切にすることで推薦枠を獲得しやすくなるでしょう。
一方、公募推薦は成績基準を満たしていれば誰でも応募できる方式です。試験内容は大学ごとに異なり、学力試験・小論文・面接などが課される場合があります。
大学入学共通テスト
私立大学でも、大学入学共通テストを利用する方式があります。
共通テストの成績だけで合否が決まる単独型と共通テストの結果と大学独自の試験を組み合わせる併用型があり、どちらを採用しているかは大学によって異なります。
単独型の場合は、1回の共通テストの成績を使って複数の大学に出願できるため、受験の負担を軽減できる点がメリットです。特に遠方の大学を受験する場合、交通費や宿泊費がかからないことは経済的にも大きなメリットとなります。
また、移動の負担がない分、体力的にも余裕を持ってほかの受験校の対策に取り組めるでしょう。
出願時期や科目の組み合わせは大学ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
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大まかな大学受験の流れ

大学受験は、志望校選びから入学手続きまで長期間にわたるプロセスです。それぞれのステップを理解し、余裕を持って準備を進めることが成功のカギとなります。
募集要項の入手
大学受験の第一歩は、志望校の募集要項を入手することです。募集要項には、出願資格・試験科目・試験日程・提出書類などが詳しく記載されています。
国公立大学では11月~12月、私立大学では9月~11月頃に募集要項が公開されます。募集要項を取り寄せる場合は送料がかかることもあるため、確認しましょう。ただし近年オンラインで出願手続きを行うネット出願を行っている大学も増えており、ネット出願を取り入れている大学では、募集要項もダウンロードできます。
大学のホームページや進路指導室で情報を確認し、自分に合った受験方式を選ぶ参考にしましょう。
共通テストの出願
国公立大学および共通テストを利用して私立大学を受験する場合、9月下旬から10月上旬にかけて共通テストの出願を行います。現役生の場合は、高校でまとめて出願するため、高校に願書を提出します。
出願時には、受験する科目を選択する必要があるため、志望校の受験科目を事前に確認しておきましょう。出願後の変更はできないため、慎重に選ぶことが大切です。
学校推薦型選抜・総合型選抜・一般選抜の出願
各受験方式の出願時期は以下のように異なります。
・総合型選抜:9月1日以降
・学校推薦型選抜:11月1日以降
・一般選抜:1月上旬〜2月上旬
出願には、成績証明書・調査書・自己推薦書などの書類が必要です。書類作成には時間がかかる場合があるため、早めに準備を始めることをおすすめします。
大学受験
共通テストは1月中旬、私立大学の一般選抜は1月下旬~3月中旬、国公立大学の二次試験は2月下旬~3月中旬に実施されます。
私立大学の場合、受験方式によって時期に差がありますが、1月下旬~2月中旬にかけて試験を実施している大学がほとんどです。
試験日が重ならないようにスケジュールを確認し、無理のない受験計画を立てることが重要です。
合格発表後に入学手続き
合格発表は、一般的に以下の日程で行われます。
・私立大学:2月中旬から3月下旬
・国公立大学前期日程:3月上旬
・国公立大学後期日程:3月下旬
私立大学の場合、試験の数日後に発表される大学がほとんどです。
合格通知を受け取ったら、指定された期間内に入学手続きを行いましょう。手続きには入学金の支払いも含まれるため、準備を整えておくことが大切です。
大学受験のスケジュールは志望大学や受験方式によって、大きな違いがあります。特に初めての大学受験となる現役生は、複雑に感じるかもしれません。
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大学受験のスケジュールを立てるときのポイント

受験スケジュールを立てる際には、効率的かつ無理のない計画を心がけることが重要です。
ここでは、スケジュール作成時に役立つポイントを3つ紹介します。
最初の試験が本命にならないようにする
受験スケジュールを立てる際は、第一志望の大学試験が最初にならないように調整することが重要です。
試験に慣れるためにも、滑り止め校や併願校の受験を先に設定し、本番の雰囲気をつかんでおきましょう。
手続きの締め切り日を把握しておく
出願や入学手続きには、厳密な締め切り日が設定されています。
締め切りを過ぎると受験資格を失うこともあるため、各大学のスケジュールをしっかり確認し、カレンダーに記入して管理しましょう。
連続受験は避ける
複数の大学を受験する場合、連続して試験日を設定すると体力的にも精神的にも負担が大きくなります。1日休息日を設けるなど、無理のないスケジュールを立てることで、万全の状態で試験に臨めるでしょう。
大学受験の流れをつかんで試験に臨もう
