
大学受験模試を活用して合格を目指す方も多いのではないでしょうか。
模試が大切なことはわかっていても、選び方や活用の仕方に悩んでいる方も多いでしょう。
模試を活用するには復習が大切です。復習の基本は間違えたところの解説をじっくり読んで理解することですが、効率的なやり方は各科目によって多少異なります。
この記事では模試の種類と活用方法について解説します。
どの模試を受けるか、どう活用して学力を向上させるのか考えるときの参考にしてはいかがでしょうか。
目次
大学受験模試の出題形式と種類

大学受験模試は解答方法ではマークシートと記述式の2種類、出題内容では3種類に分けられます。
それぞれの特徴を理解して受験する模試を決めましょう。
マークシート式
すべての設問が選択式であり、選択肢をマークして解答する形式の模試を、マークシート式といいます。
マークシートを機械で読み取って採点するため主催者側の負担が軽く、受験者や問題数を多くすることができる点が特徴です。
共通テストはマークシート式です。共通テストを受ける場合は事前に受験して感覚を養いましょう。
理解が不十分でも、正しい選択肢を選べば正解となる点も特徴です。
ただし、模試では正解・不正解よりも理解できているかが重要です。
正解しても自信がない場合は、必ず復習をしましょう。
記述式
問いの答えを文字で書かなければならない問題がある模試を記述式模試といいます。
要約や穴埋め、計算や証明など多種にわたる問題が出題されるのが特徴です。
正解へたどり着くまでの過程が見られるため、マークシート式に比べて論理的な思考力と表現力が問われます。
一般にマークシート式よりも難しく、偏差値が低くなる傾向です。
また、記述問題のなかには自分で採点および復習が難しい問題もあります。
総合型模試
特定の大学や共通テストを意識した模試に対して、大学受験で扱われる問題を網羅的に出題する試験を総合型模試ということがあります。
記述式でレベルが高い問題が扱われることもある点が特徴です。
総合型模試は特定の範囲や大学の傾向に偏らないため、自身の苦手な分野を発見するのに役立ちます。
定期的に受験して復習するべき部分を明確にしましょう。河合塾の記述模試などがこれに当たります。
大学別模試
特定の大学の出題傾向に即した問題が出される模試のことを大学別模試(冠模試)といいます。
志望している大学と似た設問の試験を受けることで本番前に試験に慣れることができるでしょう。
通常の模試と比べて開催回数が少ない点も特徴です。
第一志望の大学の模試が開催されている場合は優先して受験するとよいでしょう。
共通テスト対策模試
全問マークシート式で行われる共通テストの傾向に沿った模試のことを共通テスト対策模試といいます。
内容は記述式の模試や大学別模試と比べると基礎的な内容が問われるのが特徴です。
そのため、共通テスト対策模試でわかったことを克服するよう重点的に取り組むとよいでしょう。
特に共通テストに苦手を感じている受験生は時間配分の練習のためにも複数回受験するとよいでしょう。
大学受験模試を受けるメリット

大学受験模試を受けるメリットは大きく分けると自分を理解することと環境に慣れることの2つに分けられます。
それぞれの利点を確認しましょう。
自身の実力と苦手なことを把握できる
自分の苦手な点がわかることが模試を受ける大きなメリットです。
模試を受けるとどの科目でほかの受験者よりも成績が悪かったかなどの情報がわかります。
自身の苦手分野がわかることで学習するべき部分を明確にできるでしょう。
また、志望校に受かる実力があるかどうかも可視化されます。場合によっては模試の成績によって志望校の変更を考えることもあるでしょう。
ただし、模試の点数が悪かったからとすぐに志望校を変えることはおすすめいたしません。
模試で出た成績は今の成績であり、今後学習によって良化する可能性もあります。
個々の試験の成績という点で考えるのではなく、本番までの時間を線で考えることをおすすめします。
次の試験で苦手な数学を10点向上させるなど、具体的な目標にして次の模試へのエネルギーにしましょう。
本番に近い試験環境を事前に経験できる
事前に本番の試験に似た環境を経験できる点も模試のよい点です。
試験は独特な緊張感に満たされています。模試で雰囲気をつかむことで本番もリラックスしやすくなるでしょう。
大学別模試や共通テスト対策模試では時間配分や出題形式に慣れることも受験目的の一つです。
マークミスや問題の問いの勘違いなどのミスをしても、模試であれば本番までに対策を考えることができます。
どの順番で解くか、何分までにどこまで進めるかなどの受験のテクニックを試し、受験本番に向けて戦略を練るためにも模試を受けましょう。
次の模試を受ける前に行いたいこと

模試は受けるだけでは効果がありません。
明確になった弱点を理解して次の学習に生かすことで初めて模試を受けた効果が現れます。
模試を受けた後にすべきことを確認して、次に備えましょう。
目標を設定する
模試を受けたときはすぐに自己採点をし、次の模試までに改善すべき点と次の目標を明確にしましょう。
具体的な目標にすることで本番までの長い期間を短く分けることができ、モチベーションの維持につながります。
模試が終わってすぐに行うことでより正確に試験を振り返ることができるでしょう。
個人成績表が帰ってきたときも確認して自分の実力を理解します。
自己採点は正式な採点結果とズレることがあります。自己採点との差がなぜ生じたかも確認しておきましょう。
成績確認時は各科目の得点や合格判定のみならず、各設問の正誤の確認も大切です。
仮に点数がよくても点数の取り方も確認することで、基礎の抜け漏れに気付くことができます。
これらの情報をもとに、次の模試までにどの単元をどれだけ改善させるかを数値目標として設定しましょう。
次の模試を決めておけば、期限と改善すべき部分が明確になって行動に移しやすくなります。
間違いやすい問題を復習する

模試で分かった自分の弱点は次の模試までに復習しましょう。
特にほかの受験者が正解しているのに間違えた問題は復習によって伸ばしやすいと考えられるため、見直すことをおすすめします。
また、勘で答えてしまった問題も解説を見直しましょう。
目標を立てるときは、個別の問題の正誤を確認しておくと復習するときに苦手な単元のみに絞ることができます。
復習をする場合は間違えた問題を集めた復習ノートを作成するとよいでしょう。
復習ノートは特に受験直前期に効果を発揮します。
残り時間が少なくなるなかですべてを見直すことは不可能ですが、復習ノートなら苦手な問題のみを効率的に見直せるようになるからです。
横浜予備校では、専属コーチと一緒に学習計画を立てながら、復習の進め方や苦手単元の洗い出しもサポートしています。
さらに、間違えた問題を集めて自分だけの「復習ノート」を作成する指導も行っており、特に受験直前期にはこのノートが大きな武器になります。
模試の活用方法や復習の仕方に不安がある方は、ぜひ一度、横浜予備校の無料相談をご利用ください。
あなたに合った学習法と復習スタイルを一緒に見つけていきましょう。

大学受験模試の科目別の復習方法

模試の効果は復習を行って初めて現れます。
すべての科目で間違えた部分の解説を読んで理解し、自分のミスの原因を探る流れは同じですが、科目ごとに効率的な復習の仕方が異なる部分もあります。
それぞれの科目の復習方法を確認しましょう。
国語
現代文・古文・漢文のいずれも基本は語彙力が大切です。意味を説明できない単語は復習ノートにまとめておきましょう。
特に古文・漢文は知識を問われることが多いため知識のまとめが重要です。
現代文も読みの基本は単語の理解から始まります。
語彙力に加え、現代文では文章内の論理展開を的確に把握する力が重要です。
解説をよく読んでどのように読めば解答にたどり着くことができるかを理解し、自分の読み方を修正しましょう。
文中の主述修飾関係や接続詞、対比や因果関係など、理解しておくと文章を理解しやすくなる構造は多くあります。
それらを正確にとらえることを目標に復習をするとよいでしょう。
また、解説を読む前に解きなおしてみる方法もあります。
解きなおしてから解説を読むことで、自分のなかでの読み方と解説の読み方の差をより客観視できるでしょう。
数学
数学の復習は、まず解説を読んで理解できるかを確認することから始めます。
解説文を読んでも意味がわからない場合、原因はその分野の基礎的な知識と理解の不足です。
教科書や参考書を読み直し、解説が理解できるようになりましょう。
解説を読んで理解できた場合でも、解答できていないなら知識が十分に定着していないと考えられます。
解説文を丁寧に一文ずつ読み返し、どのタイミングでわからないと感じるかを確認しましょう。
わからなくなった点が解答のボトルネックとなっている点です。行間が開いていると感じないようになるまで自身の言葉で説明を補いましょう。
理解できないところは先生や友人に聞いてみるのもおすすめです。
数学は積み上げていく勉強なので、わからないところまで戻って学習しましょう。
横浜予備校では、個別指導や少人数制の授業を徹底しており、いつでも気軽に質問できる環境が整っています。
わからないところまで戻って学び直すことができるため、数学の基礎から応用まで着実にステップアップ可能です。
「解説が理解できない」「どこから復習すればいいのかわからない」という方は、ぜひ横浜予備校の無料相談をご利用ください。
あなたに合った復習方法と学習プランをご提案します。

英語
英語学習の基本は単語です。文法や長文を勉強したとしても、単語がわからなければ文章を理解できません。
模試のなかでわからなかった単語は調べてノートにまとめ、自分のものにしましょう。
文法も同様にわからなかったものをノートにまとめましょう。自分の言葉でなぜそのかたちになるのかを説明できるようになるのが理想です。
長文を復習するときは、すべてを精読するのではなく、一度速読してから意味がとれなかった部分だけを確認する方法もあります。
英語が得意な方はチャンクリーディングなどの手法を使って速読し、わからなかったところは単語・文法レベルや精読レベルに戻って学習しましょう。
ただし、英語が苦手な方が速読をすることはおすすめできません。
速読は、精読ができる方がトレーニングを通じて速度を上げることで習得できる技術です。
長文を読んでもまったく英語が理解できない場合は丁寧に一文ずつ解説を読みながら英文を精読し、後から学んだ読み方ができるかを見直すことをおすすめします。
理科

計算が必要な部分と暗記が必要な部分に分かれます。
計算が必要な部分は数学と同様に解説を読んで理解できるかを確認しましょう。
理解できない場合は教科書や参考書に戻る、先生に聞くなどして基礎知識の理解から始めましょう。
特に物理の場合は図を書いて現象を理解することが大事です。
理解できた場合でも、解説を丁寧に読み返し、つまずいたポイントを把握しておきましょう。
暗記が必要な部分でつまずいた場合は、間違えた知識だけでなく関連する知識も整理してノートにまとめると効果的です。
解説に加えて参考書や教科書を読むだけでも力になりますが、ノートにすると後々弱点だけを集めたノートが完成して重宝するでしょう。
社会
模試を受けてわからなかったところは周辺知識とともにまとめることをおすすめします。
わからなかった知識は何が原因で発生し何を目的としているのか、結果どうなったのかを調べ、流れをノートにまとめると知識同士がまとまって覚えやすくなるでしょう。
暗記が必要な部分が多い科目ですが、ひたすらに暗記しようとしてもなかなか覚えられません。
流れを理解したうえで細かく暗記をしていきましょう。
大学受験の模試を活用して学力アップにつなげよう!

模試は自分の苦手な部分を可視化してくれる重要な試験です。
本番と異なり模試自体でよい点を取ること自体が目的ではなく、どのような点数であろうと復習をしなければ受験した意味がありません。
模試で解けなかった問題を丁寧に復習することで学習の抜け漏れを防ぎ、確実に学力を向上させることができます。
模試を勉強のペースメーカーとしてうまく利用しつつ、それぞれの科目にあった復習法で学力を伸ばしていきましょう。
横浜予備校では、模試を受けた後の復習・分析までしっかりサポート。
プロの講師が個別に学力や課題を分析し、それぞれの生徒に合った復習法や学習計画を提案します。
模試の結果を次に活かすためのサイクルを整えることができるのが、個別指導の大きな強みです。
模試をうまく活用し、成績向上につなげたいと考えている方は、ぜひ一度、横浜予備校の無料相談をご利用ください。
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