現役の国立医大生に東海大学医学部2018年度の実際の入試問題を解いてもらい、
各問題の率直な感想をもらい、問題分析をしてもらいました。
受験生の立場に非常に近い現役医大生の感想なので受験生の立場に近い感覚だと思います。
是非、参考にしてください。このコラムが受験生の皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年度東海大学医学部『生物』の分析と対策|横浜医学部予備校
入試基本情報
・解答は計算結果や関係式を書くもの、選択肢付きの記号問題と様々
・大問にして5つ、小問にして39問
・全体の難易度は易~難で、他の受験科目と比べると、点数は比較的かせぎやすい
以下、✩~✩✩✩で難易度を表します。
✩の数が増えるほど、難易度が高くなります。
第1問
(1)✩ (2)✩ (3)✩✩ (4)✩✩ (5)✩✩✩ (6)✩✩✩ (7)✩✩✩ (8)✩✩✩
この大問は、血液循環、左心室内圧―容量曲線をテーマにした問題で構成されていました。「…この問題、受験生に解けるの!?」というのが正直な感想です。といっても、この種類の問題に出会ったことがないわけではありません。しかし、この問題によく出会うようになったのは、私が大学に入学してから!高校生に解かせるのかと少し驚きました。入学後にはよく出会うようになりますので、今の内から解けるに越したことはないですが、必ず解けなければならないとは思いませんし、何なら他の大問から解いた方がいいのではないでしょうか。
対策としては、あまりたてられなさそうです。他にこの問題を取り扱っている学校も聞きませんし、問題集でも一回見たことがあるかな、という程度です。ですから、基礎の知識を確かなものにしておくこと以外に特にできることはなさそうです。さすがに、大学に入ってからの勉強を今しておいてほしいとは言いません、私なら他の分野を強化します。第2問
(1)✩ (2)✩✩ (3)✩✩ (4)✩✩✩ (5)✩ (6)✩✩ (7)✩✩ (8)✩✩ (9)✩✩✩
この大問は、細胞分画法、ミトコンドリアの酸素消費実験をテーマにした問題で構成されていました。第1問と同様、これも中々に難しい問題ですね。しかし、まだこちらの方は模試や他の入試でも似たような内容を見たことがあるのではないでしょうか。実験問題を解くうえで重要なことは、「実験結果から考えられることとして、~」「実験結果は~」というように、基本は実験からわかったことのみから考えます。そこに不必要な知識はいりません、必要な結果から推察することです(知識は答えを推測するヒントにする程度です)。自分の知識よりも、実験結果から考えられることを優先しましょう。
第3問
(1)✩ (2)✩ (3)✩✩ (4)✩✩ (5)✩ (6)✩ (7)✩✩✩
この大問は、受精、卵割と体細胞分裂、DNA量の変化をテーマにした問題で構成されていました。この大問は第1問、第2問と比べると簡単に思えてきますね。プラナリアって、実は今後も皆さんは出会うと思います。大学の疾病系の講義でプラナリアが取り上げられることが少なくないのです。ということは、高校の時の基礎的な知識があるかを入試で問うているというようにも考えられるでしょう。
対策としては、資料集のようにまとまった図や表を頭に入れておくことです。増殖の仕方は多岐にわたりますから、表などでまとまっている方が整理して暗記しやすいと思います。第4問
(1)✩ (2)✩ (3)✩✩ (4)✩✩✩ (5)✩✩✩ (6)✩✩✩ (7)✩✩✩
この大問は、減数分裂、SRY遺伝子、連鎖と組換え、集団遺伝をテーマにした問題で構成されていました。遺伝の分野は苦手な受験生が多いですね。その理由は、とにかくややこしいからでしょうか?独立や連鎖などにはじまり、「もうこの分野いや!」となってしまうのでしょうか。しかし、遺伝は生物選択者にとって強化すべきポイント。遺伝はよく出題されますので、苦手だからとスルーせずに強化してから入試に臨んでください。
第5問
(1)✩ (2)✩ (3)✩ (4)✩✩ (5)✩✩✩ (6)✩✩✩ (7)✩✩ (8)✩✩✩
この大問は、RNA干渉、血液凝固、遺伝子ノックダウン免疫をテーマにした問題で構成されていました。この大問も第1問や第2問に比べると難しくはありませんね。医学部らしい問題ともいえます。実験結果を第一に問題を解くことは変わらずに重要です。また、この大問はカタカナが苦手な受験生には辛いものかもしれません。カタカナだけやけに覚えられないという人には少し辛いですが、用語の意味を把握して細かい働きまで理解しておきましょう。また、これは受験生に勧めるわけではなく、受験までの期間がまだある方にお勧めしたいことなのですが、「働く細胞」などのように今では漫画で生体内の働きが学べますから、教科書や資料集だけでなく、自身が記憶しやすい教材の1つとして漫画を使うこともいけないことではありません。もちろん、これは勉強の一環ですので、ただ読んで「ああ面白かった!」で終わらないように注意してくださいね。漫画を使いながら血球の働きなどをまとめるくらいはしましょう。
2018年度の東海大学入試を、完璧に解ける人は受験生には少ないと思われます。しかし、合格最低点を見てみても、完璧に解ける必要はなさそうです。全体的に難易度は高いですから、生物で点数を稼ぐことは難しいかもしれません。しかし、それは受験生のほとんどにとって同じ条件ですから、皆さんができる限りの点数をとればいいだけなのです。「物理選択者は満点を取ることができるが、生物選択者は満点をとれない科目ともいわれています。つまり、物理は解ける人には解けるけれど、生物は満点がなかなか取れないような出題形式だということです。一つ一つとれるところからとることだけを考えて、得意分野からとりかかるようにしましょう!そして、今回の過去問を解いてもらえればわかりますが、内容がなんとも医学部っぽくありませんでしたか?どこの学部においてもそうなのですが、大学入学後の勉強を意識した問題で構成されていることが多いのです。つまり、医学部受験者は人体の構造やホルモンについてはより重点的に学習しなければいけません。そのほかにも、臓器の役割や消化液の役割についても理解しておいてください。「医学部としてどのような視点が必要なのか?」ということを意識して、どの部分をより重点的に学習するかを決めておきましょう。医学部に合格するだけが目標ではありません、今から医学部生としての視点も大切にしてください!
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住所:神奈川県横浜市中区花咲町1丁目18番地
第一測量桜木町ビル5F
TEL:045-250-3915
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引用元:2018年度東海大学医学部『生物』の分析と対策|横浜医学部予・・・
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