目次
慶應義塾大学理工学部の学門とは?
こんにちは!横浜予備校の川田です。
今回は慶應義塾大学理工学部の学門制について解説していきたいと思います。
この制度は慶應理工特有の制度なので受験を考えている人はぜひ見ていってください。
・そもそも学門って何?
他大学で学門という区分は聞いたことがないと思います。
慶應義塾大学理工学部のHPによると「学びの庭に入る門」という意味を込めた言葉ということです。(学問のすすめの影響で「学問」と書き間違えられがちです。)
学門を一言で説明すると「学部1年次(学科を決めるまで) に所属する枠組み」です。
具体的には入試の時に学門を決め、入学後から学科配属がきまる1年生の後半まで理工学部生は一つの学門に所属することになります。
東京大学の学類制度(理科1類、文科3類等) ほど選択肢が広いわけではありませんが、比較的近い制度と言えるのではないでしょうか。学門から進める学科は基本的に決まっていて(例外あり) 、近い分野の学科が集まっています。
例えば、化学・生物系の学門からは「化学科・応用化学科・生物情報学科」に進むことができます。また、同一学科に2つの学門から進むこともよくあります。詳しくはそれぞれの学門の特徴でまた述べます。
・学門による違い
意外に思われるかもしれませんが、学部1年次のクラス分けなどは学門に関係ありません。(選択している第二外国語によって分けられ、全ての学門が混ざったクラスになります。)
学門によっては他と多少必修が違ったりはしますが、せいぜい週1コマ程度です。そのため、同じ学門の友達(だけ)と行動するような状況はこの必修の時間くらいしかありません。
このように学門は学生生活を送る上であまり意識されません。
・それぞれの学門の特徴
学門ごとに大雑把な分野、進める学科をまとめておきます。
どの学科にどれくらいの割合が進めるかというのはある程度決まっていますがここでは省略します。詳しくは慶應義塾大学理工学部のHPを確認してください。
*この学門は2020年度に従来の学門1〜5から学門A〜Eに再編されました。
・学門A 物理・電気・機械分野
物理学科 物理情報工学科 電気情報工学科 機械工学科
・学門B 電気情報分野
電気情報工学科 情報工学科 物理情報工学科 システムデザイン工学科
・学門C 情報・数学・データサイエンス分野
情報工学科 数理科学科 管理工学科 生命情報学科
・学門D 機械・システム分野
機械工学科 システムデザイン工学科 管理工学科
学門E 化学・生命分野
化学科 応用化学科 生命情報学科
*2021年度時点
・学科配属について
学部1年生の後半に学科配属が行われます。大体、年明けごろに希望学科を選び、3月ごろに秋学期の成績と一緒に配属学科が発表されます。この時の判断材料は1年次の成績です。
成績が良ければ希望の学科に行きやすく、逆に成績が悪ければ希望者数が少なかった学科に回されやすくなります。絶対とは言えませんが、大学側が提示している目安として評定の平均がBより少し高いくらい取れていれば概ね希望の学科に進めるようです。(成績はS,A,B,C,Dの5段階、Dが不可)
先に述べたように希望学科は基本的に自分の学門に対応する学科の中から選びます。ただし、それ以外の学科に進むことができる例外があります。これは「学門越え」と呼ばれます。この学門越えはできる人数が決まっており、希望しても一定の成績が必要であり書類審査もあるようです。しかし、選択できる学科に限りはなく自由に選ぶことができます。
・受験の時にどの学門を選べば良いか
先に述べているように学門は受験時に選びます。
同じ年に複数の学門を受験することはできません。この時は、普通に自分が進みたい分野を選べばよいでしょう。
他大学で志望している学科に近い学門を選ぶ人が多いです。もし入学後に行きたい学科が変わったとしても、成績次第では学門越えすることも可能です。
ただし、入試の募集人数は学門ごとに決まっているので、合格最低点が学門によって多少異なります。(入試問題・配点等は学部全体で共通です。) 入試で同じ点数を取っても学門によって合否が変わることがあるので注意しましょう。
・最後に
今回は慶應義塾大学理工学部の学門制について解説してきました。
個人的にこの制度は良い制度だと思います。多くの大学では入学時に学科まで選びますが、授業を受けたり実験をしたりしていく中で進みたい道が変わっていく可能性は十分にあるでしょう。
一度大学で授業を受けてから進路を決められるのは大きなメリットだと思います。慶應理工の受験を考えている受験生や入学した1年生は是非参考にしてみてください。