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慶應理工の入試問題
慶應義塾大学理工学部の入試問題について分析していきたいと思います。
*今回は一般入試についての記事です。
・受験教科、試験時間、配点
・受験教科、試験時間、配点
英語 90分 150点
数学 120分 150点
理科(物理・化学) 合わせて120分 各100点
です。注意点として理科は物理・化学の2教科のみで受験可です。生物・地学などで受験することはできないので気をつけましょう。
・合格最低点
合格最低点はもちろん年によって変化しますが、500点分の280点前後になることが多いようです。しかし、年度によってのばらつきが大きく、合格最低点の平均が300点を超えているような年もちょくちょく見られるので単に「300点取ればいい」というように考えるのではなく、問題の難易度を見て周りの受験生より点数を取ることが重要です。難易度によって時間配分などを柔軟に変えていく力も必要だと思います。また、学門によって合格最低点が多少異なるので注意が必要です。
・英語
例年ほとんどがマーク式ですが一部単語を記述する部分があったりします。若干文章量が多い印象ではありますが、英文や英単語の難易度はそこまで高くありません。傾向として文脈に合う単語・熟語や同じ意味の単語・熟語を選ばせる問題が多いです。また、2020年までは単語を記述する問題も日本語の文章をもとに英文の穴埋め(イニシャルだけ与えられていることが多い)をする方式でだされていました。このような問題に対応するには単に英→日で単語の意味を暗記するだけでなく、日→英でアウトプットする訓練が必要になります。特に単語の穴埋め問題は品詞を意識して単語を覚えることもポイントのひとつです。この辺りに気をつけながら長文の演習を積んでいきましょう。(2021年度は理科系の英単語の意識を試す問題になっています)
・数学
例年ほとんどの問題で答えのみを記述する形式ですが、1,2問だけ解答の過程まで記述する問題があります。記述問題は証明問題が多い傾向です。記述問題自体が多くないので証明以外は記述の訓練にそこまで時間を割く必要はないでしょう。全体の分野としてはやはり微積や複素数平面の占める割合が多く、確率や数列・ベクトルも頻出です。難易度もかなり高く、演習で見たことがないような特殊な問題設定が見られることも多いです。基本的には誘導にうまく乗ることが必要となるでしょう。それぞれの問題を全く別と考えるのではなく、難しい問題に対してはそれより前の答えが使えるのではないかと常に考えていく癖をつけておきましょう。
・理科
物理・化学ともに例年答えのみを記述する形式ですが図を描く問題が出ることもあります。物理は力学1問・電磁気1問と波動or熱力学から1問、化学は理論2問と有機1問でところどころ無機の知識が問われる、ともに非常に一般的な大問3問構成です。体感ではありますが、物理が難しい年は化学が簡単で、化学が難しい年は物理が簡単というように2教科でバランスを取っているような難易度です。傾向としては頻出問題から大きく逸れることはないので、両教科をバランスよく演習して取れる問題をとるという姿勢が重要になってくると思います。
・全体として
先に述べているように、合格最低点が年によって異なるので一概には言えませんが、目安としての各教科の目標点は
英語 7割
数学 5〜6割
理科 合わせて7割
というような感じです。どの教科も高いレベルが要求されますが、基礎的なことをしっかり理解し頻出レベルの問題を完璧にすることが近道でしょう。どの大学についても言えることですが、取れる問題を落とさないことが一番重要です。1教科、1分野を極めるよりも全教科を満遍なく抑えていきましょう。また、今回は私の意見として入試問題の分析を行いましたが、(特に第一志望やそれに近い大学は)自分で過去問を解いてみて分析を行うことも重要です。高3生や既卒生はできるだけ早い段階で自分の志望大学の過去問を見てみましょう。健闘を祈ります!