私は地方の国立大学の医学部生です。この記事では、私が受験生だった頃の経験を元に、化学の勉強法とオススメの問題集についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
医学部受験では、各大学で出題される化学の内容には大きな違いがあります。出題レベルが標準的な大学から、より高度な問題を出す大学までさまざまです。そのため、志望校に応じた勉強法を選ぶことが重要です。ただし、国公立医学部を目指す場合、共通テストでは高得点が求められるため、標準的な問題は確実に解けるようにすることが重要です。その後、各志望大学に特化した対策を行うと良いでしょう。
目次
オススメの問題集
・セミナー化学
・重要問題集
・新演習
筆者は主にこれらの3冊を利用して勉強しました。それぞれの問題集レベルは、セミナー化学が基礎〜標準、重要問題集が標準〜やや難問、新演習が標準〜超難問です。医学部を受験する方々には重要問題集までのレベルは必須になります。
セミナー化学
高校1年生と2年生の間は、「セミナー化学」のみを使って勉強していました。この問題集は高校で配られたもので、皆さんも類似の問題集を持っているかもしれません。各単元が知識のまとまったページ、基礎問題、標準問題、応用問題と分かれています。まずは基礎問題を知識のまとまったページを見ながら解き進め、その後に標準問題を解きましょう。余裕があれば、その後に応用問題にも取り組むと良いです。
この問題集は、知識の整理や標準的な実力を養うのに最適です。セミナー化学で解けない問題がなくなれば、共通テストでは8割、医学部以外の地方国公立大学程度なら問題なくなるレベルです。
重要問題集
2次試験で問われる標準的な問題で構成されており、ほとんどの大学はこのレベルの問題集で十分です。問題演習をしながら、抜けていた知識をこの問題集でカバーしましょう。抜けている知識や苦手な分野があった場合は「セミナー化学」に戻り、もう一度基本的な問題から取り組むといった方法でも大丈夫です。要順的なA問題とやや難易度の高いB問題に分かれ、それぞれに一周目問題のマークもあるので、時間のない受験生は効率的に時進めていきましょう。この問題集をマスターできた頃には共通テストでわからない問題はほとんどなくなります。また、各大学の二次試験でも十分通用します。ただ、難易度の高い問題を出題する大学を受験する場合や化学の配点の高い大学を受験する場合はやや演習量が足りないため、次に紹介する「新演習」に挑戦してみましょう。
新演習
新演習は最難関大学に挑戦する方にオススメです。高校2年生の段階で化学の勉強時間が十分に取れなかった場合は、この問題集に挑む時間はあまり取れないかもしれません。この問題集に挑む場合は「新演習」の姉妹本の参考書である「新研究」も準備しておくといいです。問題数が多く、全ての問題を解くには膨大な時間が必要となるので、他の教科との兼ね合いからどこまでやるか考えてみてください。志望大学に頻出の分野のみ「新演習」を用いるといった方法でも大丈夫です。
その他の問題集
化学の無機・有機・高分子化合物は暗記と知識量が大切になります。「セミナー化学」でも十分な知識量はありますが、足りない分は「重要問題集」などで補強することで十分です。しかし、より暗記のしやすい分野別の問題集や参考書を利用することもオススメします。筆者は無機化学の分野のために「大学入試の得点源」を利用しました。
他には共通テスト対策と過去問をする必要があります。過去問はなるべく早い段階から始めるといいです。化学の共通テスト対策は11月頃から始めれば大丈夫です。過去問を15年分と駿台や河合などの予備校が出版している予想問題集を1、2冊をすれば十分です。
問題集の使用推奨時期(高3)
〜新演習を使わない場合〜
セミナー化学:4月〜9月
重要問題集:9月〜12月、共通テスト終了後〜二次試験
大学過去問:8月〜
共通テスト対策:11月〜
〜新演習を使う場合〜
セミナー化学:〜6月
重要問題集:6〜8月
新演習:8月〜12月、共通テスト終了後〜二次試験
大学過去問:8月〜
共通テスト対策:11月〜
まとめ
化学の学習においては、まず基礎的な問題や典型的な問題の解法を理解することから始めると良いです。そして、そこから発展問題に挑戦することでスキルを高めていけます。また、無機化学などは暗記が重要な要素となるため、知識の確認を継続的に行うことも大切です。
さらに、医学部に進学してからも、体内の酸塩基のバランスや薬物の反応速度など、化学に関わるトピックに触れる機会があります。私は皆さんが化学の勉強に少しでも役立てることができれば幸いです。また、皆さんが医学部に合格することを心から応援しています。