現代文は、なぜか学校の授業自体が疎かにされがちな科目です。しかしながら、日本語だから何もしなくても解けるだろうという認識は大きな誤りです。文章を正しく読むことが身に付いていないと、現代文以外の多くの科目でも痛い目を見ることになります。今回は、なぜ現代文の学習は重要なのかについて解説します。
目次
- ○ 現代文という科目とは?
- ○ 現代文ができないことによる弊害
- ○ 現代文ができるようになるためのステップ
- ・文章を読む機会を増やす
- ・書かれている内容を正しく理解する
- ・理解した内容を人に説明できるようにする
- ○ まとめ
現代文という科目とは?
現代文とはその前の通り、現代の文法表現で書かれた文章を読んで設問に答えていく科目です。大学によっては、古文と現代文が混ざったような形式の問題もありますが、これも古文というよりは現代文に近い構造になっていると思います。
書店に行けば、現代文の問題に答えるためのテクニックを扱う参考書がたくさん目に入ると思いますが、実は現代文で最も重要なことは小手先のテクニックではありません。
文章の内容を深く理解し、それを自分の言葉で説明し直すことができることが、現代文の学習を通じて高校生が身に付けないといけない能力です。
このことを知らずにテクニックに走っても、当然点数は取れません。また、正しく文章を理解する力があれば、テクニックに頼ること自体が不要だと気付きます。繰り返しになりますが、現代文で大切なのは、書かれている文章の内容を隅々まで把握し、それを自分自身のものとできるかどうかです。
現代文ができないことによる弊害
次に、現代文ができないとどのような悪影響があるかを解説します。まず、文章を正しく読んで内容を理解することができないので、当然、現代文のテストで点数が取れません。
さらにこの考え方を拡張すると、英語の読解問題でも思うように点数が伸びないことがあります。英語長文は、現代文で扱われるような内容と比べると極めて簡単ですが、それでも書かれている内容を正しく把握できない生徒は一定数見られます。文章は訳せるのだけれども、書かれている内容が理解できない・イメージできないというのは相当に重症だと言えます。
また理系科目にも影響はあります。生物や化学では、長いリード文を読んで、初見の実験について考察するタイプの問題が出題されます。ここでもやはり、文章を理解する力が不足してれば、問題文の重要なポイントを認識できず、うまく解答できないことに繋がりかねません。このように、現代文で培う力の不足は、文章を読んで答えるという全ての作業に関わることがお分かりいただけたかと思います。
現代文ができるようになるためのステップ
それでは、どのようにすれば現代文の苦手を克服できるかを紹介します。現代文ができない学生は、テクニックに走るのではなく、まずはここで書かれているポイントを押さえた勉強法を取り入れてみてください。
文章を読む機会を増やす
現代文ができない原因の最も大部分を占めるのは、単に文章を読んでいる量が少ないということです。小さい頃から本をたくさん読んできた学生とそうでない学生では、現代文の成績に大きく違いが現れます。
本をたくさん読むことで、単純に文章を読むスピードが速くなります。また、全体の流れをイメージしながら読み進めるという作業も自然にできるようになります。これまでに文章を読む機会の少なかった方は、意識して文章を読む時間を作らないといけません。一つの例として、毎日、新聞を読むことが候補に上がります。現代文を読む力は短期的には身に付かないので、年単位の長いスパンで継続して改善に取り組む必要があります。
書かれている内容を正しく理解する
次は、文章をなんとなく読むことを止めることです。書かれている内容について、常に前後の繋がりや、全体で何が言いたい文章であるかを考えながら読み進めることが大事です。単に文字を追っているだけでは、何が書かれているかを正しく理解したとは言えません。これは、現代文の設問に答える際にも同じことが言えます。正解の選択肢ならば、なぜそれが正解なのかを根拠とともに説明できないといけません。
そのためには、文章全体の内容を正しく把握し、どのあたりに対応する根拠があったのかを説明する必要があります。また、不正解の選択肢においても、同じように解答の根拠を示すことが大切です。じっくりと時間をかけて、書いてある内容を掘り下げていく練習が必要です。学校の現代文の授業はまさにこの部分を扱っているのですが、現実的には、疎かにしてしまっている学生が多い印象です。
理解した内容を人に説明できるようにする
最終段階として目指したいのは、長文全体を短くまとめて、自分の言葉で人に説明できるようにすることです。要約という作業は、文章全体を正しく理解した上で、必要なワードとそうでないワードを取捨選択しないとできないため、非常に難易度が高いです。
普段から要約の練習をすることで、意識しなくても自然に文章全体で言いたいことが掴めるようになると、現代文の成績は格段にアップします。もちろん、英語の学習に応用することも可能です。長い文章を短くまとめて人に伝えられるようにするのがポイントです。
まとめ
現代文の読み方が身に付いていないと、それ以外の科目にも悪影響が生じます。テクニックに溺れるのではなく、時間をかけて文章を読み込む練習を繰り返すことが、国語力の上昇という観点では大切です。