
運動ができると勉強もできるという話を耳にすることがありますが、半信半疑の方も少なくないのではないでしょうか。
運動は体の健康だけではなく、脳の機能にもよい影響を与えることがわかっています。
近年の研究でも、適度な運動が学習能力の向上につながることがわかりました。
この記事では、運動が勉強にもたらす効果について解説します。
あわせて、勉強効率を上げるおすすめの運動や注意点も解説しているので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
目次
運動と勉強の関係性

運動と勉強には関係性がないようにも感じますが、脳を刺激する要因の一つは筋肉であり、運動は身体だけでなく脳にもよい影響を与えることが科学的に証明されています。
運動をすると前頭前野や海馬が刺激され脳が活性化することで、思考力や集中力、記憶力などが向上する可能性があるといわれています。
小学3年生から6年生を対象とした研究では、持久性能力が高いと作業記憶が高い傾向があり、体力が高いほど目的に合った行動を選択・実行する能力が高い傾向があることが示されました。
この関係性を考えると、運動する時間は有効的で、決して無駄な時間ではありません。
運動が勉強にもたらす効果

運動の効果は体力向上だけでなく、脳機能の活性化やストレス軽減にも及びます。
脳が活性化すると、刺激される脳の部位や分泌されるホルモンの影響で記憶力や集中力などの学習能力を高めることにもつながるでしょう。
特に有酸素運動は脳への血流をよくし、情報の整理や記憶を定着させやすくなります。
また、ストレス軽減は精神的な安定にもつながり、前向きな気持ちで勉強に取り組むことができるようになるのも効果の一つです。
勉強と運動を上手に組み合わせることが、効率的な学習への近道となります。
集中力が高まる
脳に必要な酸素や栄養が十分に行き渡ると前頭前野が活性化するため、集中力が高まります。
この前頭前野は思考力や実行する能力などの認知機能を担う重要な部位の一つです。
特に有酸素運動では、前頭前野の働きを高める効果があり、集中力の面でよい影響を与えるといわれています。
集中力が切れたと感じたら、勉強前に軽く身体を動かす習慣を持つことをおすすめします。
記憶力アップにつながる
運動の影響で、海馬と呼ばれる記憶を管理している部位の働きが活性化することから、運動は記憶力アップにつながるといわれています。
分泌されるホルモンとしてBDNF(脳由来神経栄養因子)やドーパミン、セロトニンなどが挙げられます。
BDNFとは脳由来神経栄養因子と呼ばれているタンパク質であり、脳の神経細胞の成長を活性化させるのが特徴です。
海馬を活性化するのに必要なタンパク質であり、脳に重要な神経細胞の成長や維持を担っています。
運動によってドーパミンやセロトニンなどの分泌の促進は、記憶の定着を助けると考えられています。
覚えたことをより効果的に記憶できるように、勉強の前後に運動を取り入れてみるのもおすすめです。
脳に栄養素が行きわたりやすくなる
運動をすると全身の血流がよくなることで、脳に必要な栄養素であるBDNF・セロトニン・ドーパミン・エンドルフィンなどのホルモンが行き渡りやすくなります。
脳はエネルギー消費量が多いため、栄養素が行き渡る状態を保つことはとても重要です。
脳の健康を維持し、パフォーマンスを高めていくためにも日常的に適度な運動を取り入れ続けましょう。
気分転換になる

運動は交感神経が優位である時間が長くなり、ポジティブになりやすいことから、気分転換につながるともいわれています。
ウォーキングやランニングをすると気分がスッキリするのは、運動によって筋肉からマイオカインというホルモンが生まれて、脳が刺激されているためです。
運動により不安症状が軽減することもわかっており、不安障害の補助的な療法として組み合わさることもあるとされています。
状況に合った運動方法を選び、効果的に活用しましょう。
セロトニンの分泌は安眠につながる

セロトニンとは別名で幸せホルモンとよばれており、脳を活発に働かせるのに重要な脳内物質の一つです。
セロトニンが脳の中にある感情や記憶を管理する場所に伝達されることで、精神の安定や安心感、平常心などを保つことができます。
この精神的な落ち着きを得ることがセロトニンの分泌が安眠につながるといわれています。
セロトニンの分泌を増やす運動として、ウォーキングや軽めのジョギングなどの一定のリズムを刻む運動が効果的です。
運動を始めて5分後からセロトニン濃度が上昇し、20〜30分でセロトニンがピークに達することがわかっています。
この時間を目安に無理のない範囲で継続してみましょう。
また、運動での疲労感が睡眠の質の向上につながり、安眠することにつながるともいわれています。
ストレスホルモンを抑制できる
運動は、脳に対するストレスへの反応を弱くし、不安を感じにくくさせることがわかっています。
運動をすることでポジティブになりやすいため、運動を頻繁にする方はうつ病の罹患率が20〜30%低いことが報告されています。
セロトニンやエンドルフィンなどのストレスを解消させるためのホルモンの分泌を促すためには、ウォーキングや軽めのジョギングを行うことが望ましいです。
特にセロトニンには、ストレスに対して効能があり、精神安定剤とよく似た分子構造をしているのが特徴です。
セロトニンやエンドルフィンの分泌量が減ると、代わりに興奮ホルモンであるノルアドレナリンの分泌が増え、不安や興奮を感じるようになるといわれています。
疲労回復効果を高められる
運動には疲労回復にも有効的だとされており、軽めの運動がおすすめされています。
運動をすることで分泌されるエンドルフィンの効果には、痛みの緩和や免疫力向上、リラックス効果などが挙げられます。
自分に合った軽めの運動をすることが、血流を改善し、乳酸などの疲労物質を効率的に排出することにつながるでしょう。
また、疲労物質を排出すると栄養や酸素が筋肉に取り込まれやすくなり、運動は疲労回復効果を高められるといわれています。
横浜予備校では、定期的な面談や、保護者の声に応えたサポート体制も充実しています。
LINEを通じて24時間の返信サービスも提供しているため、保護者がいつでも相談できる体制も整っているのが特徴です。
保護者の方も気軽に悩みを相談することができるのは、信頼関係を深める重要なポイントになり、効率よく勉強を進めることにつながるでしょう。
「勉強にどのように取り組めばよいのかわからなくなってしまった」という方は、横浜予備校の無料相談を活用することをおすすめします。
勉強の効率を上げるおすすめの運動方法

勉強の効率を高めるには、無理なく続けられる自分に合った運動方法を選ぶことが重要です。
運動には有酸素運動と無酸素運動が挙げられますが、一般的には有酸素運動の方が脳を活性化させる効果が高いといわれています。無酸素運動も脳を活性化させるといわれていますが、主に筋力や代謝の向上が中心です。
しかし、ストレスの軽減や気分転換の効果は得ることができるため、状況に応じて使いこなすのがよいでしょう。
ウォーキングやジョギング
ウォーキングやジョギングは有酸素運動に当てはまり、脳の活性化や脂肪燃焼、生活習慣の予防などに期待ができます。
ウォーキングやジョギングは手軽に始めることができ、自分自身で運動の強度をコントロールできるのも継続しやすいポイントです。
特別な道具も必要ないため、運動が苦手な方は家の周りを散歩するつもりで始めてみることをおすすめします。
水泳
水泳は全身の筋肉をバランスよく使う有酸素運動です。
有酸素運動の効果だけではなく、浮力によるリラックス効果や水圧によるマッサージ効果なども得ることが可能です。
筋肉をほぐすことや疲労を回復させる目的で水泳を取り入れるのもよいでしょう。
泳ぐことが苦手な方は、水中ウォーキングなどもおすすめされています。
水中であれば、転倒による骨折やケガもないため、誰でも取り入れやすい運動方法です。
縄跳び
縄跳びは全身の筋肉を使う有酸素運動の一つであり、短時間で効率よく心肺機能を高める効果があります。
縄跳びはリズムよくジャンプする動作があることから、運動のなかでも認知機能を刺激しやすく、脳全体の活性化につながると研究でも報告されています。
ストレッチ
ストレッチは筋肉を伸ばすことで血流をよくし、体温を高める効果があります。有酸素運動や無酸素運動ではありませんが、血流がよくなったり副交感神経が優位になったりすることから、ストレス軽減や集中力の回復に効果的です。
近年の研究でも30分程度、全身の筋を順に伸ばしていくようなストレッチを行うことで、自律神経の活動が副交感神経活動を効果的に変化させることが示されました。
運動が苦手な方でも手軽に始められ、短時間で心身のコンディションを整えるのに役立ちます。
横浜予備校は医学部や難関大学受験に強い塾として高い評価があり、専属講師による少人数体制の指導で、生徒に合わせた適切なカリキュラムを提供しています。
一人ひとりの可能性を最大限に引き出すためには、実績と指導力で選ぶことが大切です。
受験勉強のために運動を取り入れる場合の注意点

受験勉強のために運動を取り入れる際は、運動時間や強度に注意が必要です。
激しすぎる運動になってしまうと、逆に疲労が蓄積し集中力を下げてしまいます。
集中力が下がった状態で運動を続けようとすれば、ケガにもつながってしまうため注意が必要です。
運動のしすぎには気をつける
運動は身体的にも精神的にもよい影響を与えますが、やりすぎには注意が必要です。
過度な運動は疲労を蓄積させ、集中力や判断力、記憶力などの低下を招くことがあります。
特に受験期などの心身の体調管理が重要な時期には、疲労が長引いてしまうことで学習効率が下がる可能性も考えられるでしょう。
また、過度な運動によってストレスホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、脳の機能に悪影響を与えることもあるといわれています。
運動は、適度な運動量と時間を守ることが大切です。
自分に合った運動方法で無理なく行っていきましょう。
運動量や内容は生理周期も考えて決める
運動を取り入れる際は、生理周期に合わせた内容や強度の調整を考えて決めることが重要です。
生理前や生理中は心身ともに体調が不安定になりやすく、無理な運動は逆にストレスの原因になったり、体調が悪化したりすることもあります。
生理痛がひどい場合は、無理をせず休むようにしましょう。
生理後からは、排卵期にかけてホルモンバランスが安定し、体も動かしやすいタイミングだといわれています。
自分の体調を把握し、運動量や内容を考えることで学習に対する集中力を保ちやすくなり、より効率のよい学びにつながるでしょう。
さまざまな面から勉強習慣を改善しよう

受験を控えている方が効率よく学んでいくためには、生活全体を見直し、勉強習慣を改善したうえで勉強に取り組むことが大切です。
適度な運動だけでなく、規則正しい生活や栄養バランスの取れた食事、十分な睡眠も集中力や記憶力の向上につながります。
勉強習慣には学習環境だけでなく、時間の使い方を工夫することも効果的な方法です。
さまざまな面から勉強習慣を見直すことで、パフォーマンスを高めたまま勉強に取り組むことができるでしょう。
横浜予備校は1対1から1対4の少人数体制で指導を行っており、生徒に合わせた細やかなサポートを提供しています。
教育に実績と熱意をもって取り組んでいる講師のみが在籍しているため、学習の面での不安や悩みがある場合は、専属講師が日常的にフォローしていくことが可能です。
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