目次
- ○ 整数問題を克服するポイントを解説!
- ○ 整数問題はなぜ難しいのか?
- ・パターン暗記が通用しない
- ・計算方法に慣れることが難しい
- ○ 整数問題を克服するために意識したいポイント
- ・頻出パターンは確実に押さえる
- ・計算問題を数多くこなす
- ・発展的な問題に時間をかけて取り組む
- ○ まとめ
整数問題を克服するポイントを解説!
数学Aで学習する整数は、同じ範囲にある確率と並んで、受験数学では最も難しい問題が出題される可能性がある単元です。
数学が得意な受験生でも、整数だけはどうしてもできるようにならないといったことがあるかもしれません。
今回は、なぜ整数問題が難しいのかを解説した上で、少しでも克服するためのポイントを紹介します。この記事によって、少しでも皆さんの整数問題嫌いが改善されれば幸いです。
整数問題はなぜ難しいのか?
まず最初に、整数問題がなぜ難しいのかを二つの観点から紹介します。
自分が整数問題につまずいている理由が分からない方は、ぜひここで挙げられている2点を確認してみてください。
パターン暗記が通用しない
難関大学で出題される整数問題の最も厄介な点は、単純なパターンの暗記では解答することができない場合があることです。
言い換えると、整数問題は受験生の本質的な学力や思考力を見るための問題だということです。
例えば数学1の二次関数であれば、範囲を定めてその区間での最大値や最小値を求めることから発想を広げれば大体の問題は解くことができます。難しいイメージのある微分も、基本的には微分して増減表を調べてからグラフを描くという流れで解答することができます。
それに対して、整数問題は決まりきった解法で解けるものが少ないです。
共通テストのレベルであればそれほど複雑なものは出題されませんが、東大や京大のレベルとなると、一筋縄では行かない問題が現れてきます。
このように、確立された定石で解けない問題が存在する点が、整数問題を難しくしている要因の一つだと言えます。
計算方法に慣れることが難しい
整数問題を解く上では、ユークリッドの互除法や合同式などのやや特殊な計算方法を身につけないといけません。そして、これらは大抵の場合、整数問題を解く際にしか使うことができないため、それだけ練習する頻度も少なくなりがちです。
そうすると、いざ使いたいと思った場合にスムーズに手が動かなくなることがあるかもしれません。
特殊な計算を覚えないといけないが、それを練習するための問題数が少ないという点が、計算の難しさをさらに増大させているイメージです。
教科書の例題や練習問題で不足を感じる場合は、整数に特化した問題集の購入を検討しても良いでしょう。
整数問題を克服するために意識したいポイント
続いて、整数問題を克服するためのポイントについて紹介します。整数問題はさまざまなバリエーションがあるため、すぐに全ての問題を解くことは難しいです。まずは基本的な部分から対策していくと良いでしょう。
頻出パターンは確実に押さえる
整数問題には暗記が通用しないと紹介しましたが、あくまでもそれは難関大学の受験を想定した場合です。
学校の定期テストや共通テストのレベルであれば、ほとんどが見たことのある問題の組み合わせからなります。
そのため、教科書の例題や練習問題にあるような頻出パターンをしっかりと押さえておくことによって、これらに対応できるようになります。教科書に加えて、学校で買う問題集の該当範囲も学習しておけるとさらに安心です。
計算問題を数多くこなす
整数問題も他の分野と同じように繰り返し計算練習をすることが有効です。
ユークリッドの互除法や合同式などの整数問題に特有の計算もあるので、それらは特に重点的に練習すると良いです。
他の範囲と比べると出題頻度が下がるため、どうしても対策が後回しになりやすい分野ですが、苦手を作らないためにも、ある程度の時間をかけることは覚悟した方が良いでしょう。
共通テストのレベルがスラスラ解けるようになれば、一通りの内容は身についたと思って良いです。
発展的な問題に時間をかけて取り組む
ここからは、難関大学を受験することを考えている受験生向けのアドバイスです。
それほど難しい整数問題の出題がない大学の受験を考えているのであれば、ある程度で整数の勉強は切り上げて、出題頻度の高い数学3の学習に時間を割く方が有益です。
一方で、東大や京大などの整数問題が出題されやすくかつ難易度も高い大学を目指す場合は、絶対に整数の対策に時間を取った方が良いです。
多くの受験生が苦手とする分野なので、ここで得点できると周りと差をつけることができます。
応用的な整数問題を解くためには、とにかく時間をかけて考える習慣を身につけることが大事です。答えがすぐには分からない問題に対して、時間をかけながらさまざまなアプローチをすることで、自分の中の経験値が上がっていきます。苦労して問題を解いた経験を積み重ねることで、初見で解法の分からない問題に出会った場合でも、焦らずにじっくりと取り組むことができるようになります。
逆に、分からない問題があった場合に答えをすぐに見るような勉強をしていると、考える訓練をすることができないため、難関大学の入試には通用しなくなってしまいます。発展的な問題に時間をかけて取り組むことを常に意識しましょう。
まとめ
整数問題は、難しいものになると決まりきった解法が通用しなくなる点が厄介です。
それでも、定期テストや共通テストのレベルであれば、教科書の考え方を正しく当てはめることで解答できることがほとんどです。
まずはこれらのレベルを完璧にし、それから難関レベルに時間をかけて取り組めると良いですね。