目次
- ○ 自治医科大学合格者が語る傾向と対策
- ○ 自治医科大学の入試制度
- ○ 自治医科大学の入試問題の傾向と対策
- ・英語(1次試験マーク式)
- ・数学(1次試験マーク式)
- ・化学(1次試験マーク式)
- ・生物(1次試験マーク式)
- ・英語(2次試験記述式)
- ・数学(2次試験記述式)
- ○ まとめ
自治医科大学合格者が語る傾向と対策
医学部志望の受験生で学費の関係で私立はダメ、国公立しか通わせられないという家庭も多いかと思います。ただ国公立医学部は一発勝負で共通テストの点数がとても大切です。
一般家庭でも出来るだけ医学部に行くチャンスを増やしたいところですよね。そこで今回ご紹介したいのが僕の通う自治医科大学です。
自治医科大学の入試制度
自治医科大学は学費が一応2000万以上かかりますが修学資金貸与制度により実質0円で卒業することができます。しかも入学時には40万円をもらうことができます。
ただ学費免除には条件があり、卒後9年間(在学期間×1.5)受験した都道府県の指定された病院で医師として勤務すれば学費が免除されます。この9年間を義務年限と言いますがこの義務年限を果たせなければ2000万以上の学費を請求されることとなります。
受験した都道府県というのが引っかかる方がいるかと思います。自治医科大学はとても特殊な入試制度で自分の出身都道府県、自分の卒業した高校の都道府県、保護者の現住所の都道府県 このいずれかに当てはまる都道府県で入学志願者は受験することができます。合格者は2から3人程度で同じ都道府県内でこの枠を争うという形になります。合格した場合、この受験した都道府県で卒後9年間勤務しなければなりません。
そして覚えておかないといけない点として、自治医大は入学することを決めると国公立を受験することができなくなります。国公立前期と後期の入試当日に県庁に呼び出されるからです。これに出向かなければ入学資格を失うこととなります。なので自治医科大学を受験するなら、受かったら進学するという覚悟を持って受験する必要があります。
「義務年限が嫌だ、絶対国公立に行きたい」という方は初めから受験しない方がいいでしょう。
また自治医大は栃木県下野市に位置し、全寮制のシステムを設けています。寮ではなくアパート等で一人暮らしをしたい方は合わないかもしれません。
以上のように自治医大はかなり変わった大学ですので、特徴をしっかり理解した上で受験するようにしましょう。
自治医科大学の入試問題の傾向と対策
自治医大の1次試験について。英語、数学、理科2科目のマーク式試験を県庁で行い、その後県庁で面接を行います。
英語25点、数学25点、理科2科目50点の配点になっており面接は点数化されていません。
1次試験合格者は栃木県の自治医大で2次試験が行われます。2次試験では英語と数学の記述式試験、集団面接、個人面接が行われます。英語12.5点、数学12.5点の配点になっており集団面接、個人面接は点数化されていません。
以上から分かるようにとても面接が多いのが特徴的です。
集団面接はグループディスカッションのことでテーマを与えられて受験生5人ほどで議論するという形になります。県庁と大学で行われる2回の個人面接では特に変わったことは聞かれないですがしっかり面接対策はするようにしましょう。
学科試験については一次試験のマーク式試験の配点がとても大きいのでマーク対策をしっかりしましょう。特に理科の配点が高いので理科が得意だと有利です。
続いて各科目の対策について述べていきます。
英語(1次試験マーク式)
試験時間は60分です。
大問は3つで3つとも500字から800字程度の長文となっています。60分しかないのであまりゆっくり読んでいると時間がなくなってしまいます。内容一致問題があるので雑に読んでしまうとそういった問題に対応できません。速く正確に読む力が求められます。文法問題は基本的に出題されないので読解力をメインに鍛えるようにしましょう。
数学(1次試験マーク式)
試験時間は60分です。
一問一答形式の問題が25問となっており数1A2B3から満遍なく出題されます。問題の難易度は標準的なものが多いですがすぐ答えがわかるようなものではなく、かなり時間との勝負になります。わからない問題は捨てる勇気が必要です。
この試験に記述力は不要で、解法を瞬時に思い浮かべることができる力を鍛えなければいけません。青チャート、一対一対応などの参考書を何周もして典型問題は完璧にしておきましょう。
化学(1次試験マーク式)
理科は2科目80分となっているので化学にかけられる時間は40分です。
化学基礎、理論化学、無機化学、有機化学、高分子の順番に満遍なく出題されます。計算問題よりも知識問題が多い傾向にあるので教科書、教科書発展内容までの知識をしっかりつけていく必要があります。計算問題もそこまで難しいものは出ないので重要問題集などの参考書をやり込めば十分対応できる試験です。
生物(1次試験マーク式)
化学同様生物にかけられる時間は40分です。
時間は少しシビアですがそこまで難しい問題は出ません。ただ年によって知識問題の方が多かったり考察問題の方が多かったりと傾向が定まっていません。後者が多いと時間がかかり難易度も上がりますので対策はしっかりしておきましょう。
考察問題は演習量がものをいいます。思考・考察問題集などを使って考察力を鍛えておく必要があるでしょう。知識問題については教科書、教科書発展内容をセミナーやリードαでしっかり理解しておけば対応できます。
英語(2次試験記述式)
試験時間は30分です。
長文一題構成となっており文章の要約、その文章に対する自分の意見を述べる試験となっています。長文難易度は標準的です。
数学(2次試験記述式)
試験時間は30分です。
大問1題に小問が複数個あり、国公立の数学対策をしていればおのずと記述対策になるので対応できると思います。基本的に典型問題が出題されます。
以上が各科目の対策です。
2次試験は配点も低いですし過去問を数年やる程度で特別な対策は必要ないと思われます。
1次試験でかなり決まってしまうのでマーク式試験の過去問演習、対策はしっかり行うようにしましょう。
まとめ
自治医科大学は各都道府県で合格点が異なるので「◯点取れば受かる」というのは断言することができません。
目安としてはマークで8割取れればかなり合格に近いと思います。
お金をかけずに医者になれるとても親孝行で素晴らしい大学なので是非。僕のような一般家庭の受験生は目指してみてください。最後まで読んでいただきありがとうございました!