受験生の皆さんこんにちは、今日は『物理重要問題集』についてお話をしていきたいと思います。
この問題集はかなりメジャーな問題集で、学校で配られることも多く、『重問』と略して呼ばれたりしています。
理系の受験生にとっては身近な問題集と言えるでしょう。
ただし、かなり難易度の高い問題も含まれていますので、取り掛かる時期によってはかなり苦戦する人もいるかもしれません。
ですので、今回は志望校別に『物理重要問題集』をいつ頃どのように使うと効果的なのかを考えてみたいと思います。
目次
- ○ 重要問題集の構成
- ○ 解説のレベルも高め
- ○ 『物理重要問題集』を始める時期の目安ー最難関レベル
- ○ 『物理重要問題集』を始める時期の目安ー難関レベル
- ○ 『物理重要問題集』を始める時期の目安ー上位国立レベル
- ○ 最後に
重要問題集の構成
『物理重要問題集』は各章ごとに「要項」「A問題」「B問題」の3つから構成されています。
「要項」は公式や基本事項などを簡単にまとめたものです。
(個人的にはあまり必要ないかなと思っています)
「A問題」は共通テストレベル~中上位国公立レベルの問題が掲載されています。特に重要な問題には『必解』のマークがついています。
「A問題」と言うくらいですので基礎かと思いきや、A問題でも解答に20分~30分を要する入試問題レベルの問題が並びます。
「B問題」は東京大学・京都大学・東京工業大学・慶応大学・早稲田大学と言った【最難関】レベルの問題が掲載されています。
実際に最難関レベルを考えている受験生以外は解く必要が無いかと思います。
また、出版された年度によって掲載問題数に差があるようですが、全体で大体150問程度となっているようです。
このように一応A・Bの二段階に分けて問題が構成されていますが、「A問題」130問強に対して「B問題」は20問に満たない構成と『ちょっとバランス的が悪いかな?』と思ってしまいます。
ですが、「A問題」を『必解』とそうでないものに分けて考えて「A必解問題」「A問題」「B問題」の3段階構成で見てみるとそれぞれ80問・70問・20問の構成となります。
こちらのほうがバランスが取れていて作戦が立てやすいので、『物理重要問題集』の使い方を考えるときは3段階構成の問題集として考えていこうと思います。
解説のレベルも高め
『物理重要問題集』の解説は必要最低限となっているように感じます。
必要最低限とは言いましたが、不足しているわけではありません。
きちんと物理の学習が進み、共通テストの過去問を解いたときに6割を超えるくらいの実力がついている方には十分な解説だと思われます。
まだ十分な基礎力が身についていない方がこの解説を読んだ時には
『どうしてこのような式が突然出てきたのだろう?』
など、解説の意味が理解できないと言うケースが出てくる恐れがあります。
そういった場合は早めに一つ下のレベルの問題集に立ち返って学習することをお勧めします。
『物理重要問題集』を始める時期の目安ー最難関レベル
最難関レベルを狙うのであれば、この問題集はすべての問題に手を出しておきたいところです。
ちなみに「B問題」は最難関大学の入試問題を扱っていますので、東大の合格通知をもらった直後の受験生でも一問あたり30分程度はかかるはずです。
きっと、今から『物理重要問題集』に手を出す段階の受験生ですと1問あたり1時間かかってもおかしくありません。
ですので、最難関レベルを考えた場合は、一番時間が取れる夏休みに「B問題」に取り組んでいきたいところです。
そうなると、高校3年生の1学期には「A問題」を終わらせておく必要があると言えるでしょう。
そうすれば、秋以降に志望大学の過去問演習に十分な時間をさけるはずです。
『物理重要問題集』を始める時期の目安ー難関レベル
東京大学や京都大学を除き旧帝国大学をはじめとする難関大学の物理の問題は、実はそこまで難しくありません。
もちろん簡単ではありませんし、難易度がかなり高い問題も出題されます。
ですが、合格点を取りに行くと言った視点で考えると難問と言われる問題に手を出すよりもハイレベルな良問を数多くこなして即応力を上げるほうが合格に近づくと思われます。
また、『物理重要問題集』は、かなり頻繁に改定され鮮度の高い良問がそろっています。
ですので、難関レベルでは「B問題」には手を出さず「A問題」を高校3年生の夏休みに繰り返し解いていくと良いでしょう。
夏休みのうちに2周できれば十分かと思います。
『物理重要問題集』を始める時期の目安ー上位国立レベル
最後に千葉大学や筑波大学などと言った上位の国立大学を目指す場合ですが、これらの大学を第一志望にする際は、全体的な得点率のバランスにも気を使う必要があります。
東京大学や京都大学のような最難関レベルでは基本的に共通テストレベルは9割を狙っていきますが、上位国立の場合は7割強を狙っていくことになります。
大学入試はトータルで合格点を超えていけばよいので、目標点が7割強だった場合は苦手な科目の失点を得意な科目で補うことがある程度可能となります。
物理が得意で、得点源としたい受験生の場合は『物理重要問題集』の扱いは難関レベルと同じで問題ないでしょう。
ですが、物理を苦手としている受験生の場合「A問題」をすべて解くよりも「A問題」の中にある「必解」マークの付いた問題のみ(80問ほど)を夏休みに最低3周やっておくことが重要でしょう。
そしてその後の模擬試験の結果と相談しながら必要であれば「A問題」の残りを解いていくと言った工夫が必要になってくると思われます。
最後に
物理は、受験する大学によってかなり出題形式が異なります。
学力的な力を上げておくことも重要ですが、各大学の過去問を解きこみ、作問者の思考の流れに乗る練習も必要となります。
東京大学と京都大学の問題形式を見比べてもらえばわかりやすいと思いますが、「問題を解け!解け!」と言ってくる東京大学の物理に対し、京都大学の物理は「物理学の読み物」のようにも見えます。
受験生の皆さんはいち早く『物理重要問題集』を必要レベルまでクリアして、第一志望校の過去問演習に取り掛かってください。