学費のことを考慮すると、医学部受験生のみならず、支えるご家族の心中は悩ましいでしょう。
一方、国公立大学の医学部では、私立のおよそ10分の1の学費で済むため、一般家庭からの受験生もチャレンジしやすいのではないでしょうか。
しかし、国公立大学への合格を勝ち取るためには、医学部受験に特化したカリキュラムと指導経験豊富な講師陣のサポートが不可欠です。
今回の記事では、国立大学医学部の学費を私立と比較して安くなる理由を解説します。また、学費以外の費用についても併せて紹介しているので、医学部受験を目指す方は、ぜひ最後までお読みになり参考にしてみてください。
目次
- ○ 国立大学医学部の学費はどのくらい?
- ・入学金
- ・年間の授業料
- ・その他の費用
- ○ 国立大学医学部の学費と公立・私立との比較
- ・国立大学医学部の学費の平均
- ・私立大学医学部の学費の平均
- ○ 国立大学医学部の学費が私立より安い理由
- ・学校の運営に公的資金が使用されているため
- ・国で学費が定められているため
- ・設備に違いがあるため
- ○ 大学生活で学費以外にかかる費用は?
- ・交通費
- ・生活準備費用
- ・家賃・水道光熱費
- ・食費
- ・その他の費用
- ○ 国立大学医学部の学費
国立大学医学部の学費はどのくらい?
国公立大学医学部の学費は、私立大医学部と比べて10分の1程に抑えられます。例えば、東京大学をはじめ多くの医学部では年間およそ500,000円、6年間で3,500,000円程度が一般的です。
医学部だから高額なわけではなく、ほかの学部と同様の学費です。
ただし、東京医科歯科大学や千葉大学のように、一部の大学では特例で学費が4,000,000円程度に設定されている場合もあるのでご注意ください。
ここからは、国の定める国立大学法人法と呼ばれる省令に基づいて、国立大学医学部などの授業料その他の費用を紹介していきます。
入学金
国立大学法人法によれば、入学金には、282,000円かかります。原則として、合格年度の入学時に徴収されます。
年間の授業料
文部科学省令第十六号国立大学等の授業料その他の費用に関する省令によると、国立大学法人法に基づいて、年間の授業料の標準額は535,800円とされています。
各年度に係る授業料は、当該年度において前期・後期の2回に分けて徴収されます。授業料の納付は、それぞれ引き落とし日の前営業日までに登録口座の残額が授業料相当額以上となるよう入金しておきましょう。
その他の費用
国公立大学受験の検定料として、17,000円(第一段階選抜4,000円および第二段階選抜13,000円)がかかります。
国立大学医学部の学費と公立・私立との比較
ここからは、国立大学医学部の学費の平均・私立大学医学部の学費の平均について、具体的な数字を明示しながら紹介します。
国立大学医学部の学費の平均
国立大学医学部の平均的な学費は6年間で約3,500,000円です。 国立大学では入学金と授業料の標準額が国の省令により定められています。平均的な入学金は282,000円、授業料は535,800円です。
国立大学の場合、施設設備などその他の費用を含む学費は、以下のとおりです。
・入学金:約282,000円
・1年間の授業料:約535,800円
・6年間の合計:約3,500,000円
公立大学の場合、施設・設備などその他の費用を含む学費は、以下のとおりです。
・入学金:約150,000~300,000円
・1年間の授業料:約530,000~570,000円
・6年間の合計:約3,500,000~4,000,000円
横浜市立大学医学部・名古屋市立大学医学部などは、市内居住者の場合の学費はこれより安くなります。国立・公立かによって多少の差はありますが、およそ同額といってよいでしょう。
私立大学医学部の学費の平均
私立大学医学部の場合、学費の平均は6年間で約35,000,000円かかります。学費は以下のとおりです。
・入学金:約200,000~2,000,000円
・1年間の授業料:約2,700,000~7,000,000円
・6年間の合計:約20,000,000~45,000,000円
なお、学費には施設や設備の維持費・運営費など、その他の費用を含みます。
国立大学医学部の学費が私立より安い理由
国公立大学の学費が私立大学よりも10分の1と差がある理由は、国の税金など公的支援により学費が抑えられているためです。
一方私立大学は学生の入学金や寄付金など独自の運営資金で経営が成り立っており、国の補助は得られないため、学費は国公立大学よりも高く設定する必要があります。
特に、医学部では高度な設備や施設が必要とされるため、それにかかる費用もプラスされます。
国立大学医学部の学費が私立と比べて安い理由は、以下の3つが挙げられるでしょう。
・学校の運営に公的資金が使用されているため
・国で学費が定められているため
・設備に違いがあるため
順番に解説します。
学校の運営に公的資金が使用されているため
医学部は、施設の運営に多額の費用がかかります。
専門の設備を導入したり、既存の設備であっても新しく高度なものに交換したりする必要があるため、それに係る費用も高くなる傾向です。
ただし、国公立大学の運営には国の税金など公的資金の補助が受けられます。
また、公費を財源に運営そのものも教育を主目的としており、利益を追求していないことから学費を低く設定できるのです。
一方、私立大学医学部は運営費を学費などで運営しているため、どうしても学生一人当たりの負担が高額になる傾向です。
国で学費が定められているため
文部科学省では、文部科学省令第十六号の国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二十二条第四項の規定に基づき、国立大学などの授業料その他の費用に関する省令が制定されています。
そのため、国公立大学の学費の標準額は国によって決められているのです。
設備に違いがあるため
国公立大学の学費が私立大学の医学部よりも安い理由の1つに、学校の持つ設備が異なるという点も挙げられるでしょう。
国公立大学医学部では、学校の施設整備や運営のために税金が使われており、設備投資の資金には限りがあります。
一方、私立大学の医学部では設備などにかかる費用を学費とは別に寄付金として募るのも可能なため、常に新しい設備を整えることができます。
国公立大学は私立大学に比べて設備が充実していないことがある点は、デメリットとしてあげられるでしょう。
私たちの予備校では、こうした学費面や進路計画について、専門的なアドバイスを行っています。
特に医学部志望の生徒に対しては、適切な学習計画や志望校選定のサポートを提供しており、個々のニーズに応じた学習法を提案しています。
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大学生活で学費以外にかかる費用は?
国立大学の医学部に受かった場合、6年間の学費以外にかかる費用も念頭に入れておきましょう。
2023年度の学生生活実態調査によると、1ヵ月の生活費の平均は、下宿生の場合は127,500円、自宅生の場合には64,340円でした。
簡単な概算ですが、一人暮らしだと家賃・食費・諸雑費も含めると6年間で10,000,000円程かかることになります。
実家暮らしであれば、約4,600,000円と費用を抑えられるため、交通費を考慮しても家計全体の負担を減らせる可能性が高いでしょう。
ここからは、全国大学生活協同組合連合会の調査をもとに、学費以外にかかる費用の概算を紹介していきます。
交通費
2023年度の学生生活実態調査によると、一人暮らしの大学生が月々にかかる交通費の平均は54,130円でした。
ただし、キャンパスまでの通学に車が必要な場合は話が別です。
例えば、1,200,000円で車を購入して駐車場代が月5,000円という設定で、6年間で保険・車検・維持費含め約8,000,000円が必要になってきます。
住む場所や学校によって交通費は大きく異なりますが、距離が近い場合は自転車通学も視野に入れると節約できる費用でもあります。
生活準備費用
一人暮らしを始めるには、家具・家電・生活用品の購入など生活準備費用がかかります。
購入費のおおよその目安としては、250,000円程を考えておきましょう。引っ越し業者を利用する場合はその費用もかかりますが、50,000円程を想定しておくとよいでしょう。
費用相場は基本的に距離で変わりますが、春から入学し新生活を始める場合は引越し業者の繁忙期にあたるため、通常よりも高くなる傾向があります。
複数社の見積もりを取る・荷物を少なく抑える・家電などは現地で調達するなど、工夫することで費用を抑えられます。
家賃・水道光熱費
学生生活実態調査によると、一人暮らしの大学生が月々にかかる住居費の平均は54,130円でした。
一人暮らしの学生の場合、一般的に家賃の平均は都心部では月80,000円程かかりますが、地方では月約50,000円と安い傾向があります。
仮に家賃50,000円の部屋に住むとすると、初期費用は250,000円(礼金・敷金がそれぞれ家賃の1ヵ月と仲介手数料1ヵ月・前家賃1ヵ月・火災保険料1ヵ月)程度かかるでしょう。
家賃60,000円の物件の初期費用は240,000~360,000円程度で、家賃80,000円の物件の初期費用は320,000~480,000円程度になります。
更新のたびに引っ越すとなると、引っ越し代がかさみ余計な支出が増えるかもしれません。
一方、6年間同じ物件に住み続けると更新料はかかっても大きな節約につながります。
また、食費・水道光熱費込みの寮などに入ると生活費を安く抑えられるでしょう。
食費
学生生活実態調査によると、一人暮らしの大学生が月々にかける食費は、1ヵ月あたり25,880円でした。1ヵ月30日で計算すると、1日当たり約863円に相当します。
その他の費用
医学生には教材が必要ですが、医学書は高額なので、1冊につき平均約10,000円かかることも覚えておいてください。
医学部の6年間で必要な教材費用は、平均約100,000~200,000円程度でしょう。
ただし、全巻を新品で買い揃えるほかに、中古で構わなければネットのフリーマーケットを利用したり先輩から安く譲り受けたり節約することも可能です。
なお、ほかにも大学生が必要とする費用の平均は以下のようなものがあります。
教養娯楽費:12,840円
通話通信料:3,190円
日常費:7,330円
お小遣い:10,350円
また、上記の費用とは別に、趣味や部活動などに使う交際費もかかるでしょう。このように、学費以外にかかるさまざまな費用を見積もることが大切です。
私たちの予備校では、学習計画だけでなく費用面でもサポートしています。
将来の大学生活に向けて、しっかりとした費用計画を立てるためにも、ぜひ一度無料相談に申し込みください。
国立大学医学部の学費
今回の記事では、国立大学医学部の学費について、私立と比較して安い理由を解説してきました。
また、学費のほかにいろいろな費用がかかることも併せて紹介しました。
国立大学の医学部は私立大学の10分の1と価格を抑えられることが特徴ですが、志願者が少なくないため、私立に比べ難易度が高い傾向があります。
しかし、医学部受験に特化した予備校などでしっかりとした対策を施せば、合格は不可能ではありません。
横浜予備校は、医学部や難関大学受験に強い塾として高い評価をいただいています。
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