社会に出て実際に使える会話や内容を中心に、物語としても興味深く読める長文が多く、勉強していくうちに次第に長文読解力が身に付くのが特徴です。
しかし、検定教科書に比べて難しいといわれるのはなぜなのでしょうか。難易度の理由は、語彙や文法のレベルが高く、内容が高度であることにあります。
プログレスに取り組む際は、予習と復習をしっかりと行い、まずは文法や語彙の理解を確実にすることが重要です。長文読解は、最初は難しく感じるかもしれませんが、段階的に取り組むことで徐々に慣れていきます。
今回は、50年以上も中高一貫校を中心に使われている英語の教科書・プログレスについてお伝えします。
勉強方法や気を付ける点について解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
- ○ 英語の教科書プログレスとは?
- ○ 英語の教科書プログレスの特徴
- ・高い難易度の検定外教科書である
- ・リスニングや会話に比重をおいている
- ・実用的な英文と語彙を提供している
- ・反復学習がしやすいように設計されている
- ○ 英語の教科書プログレスの勉強法
- ・予習復習の時間を確保する
- ・別の教材を使って勉強する
- ・勉強の流れを意識する
- ・テスト対策しながら使う
- ・予備校を利用する
- ○ 英語の教科書プログレスを使うときに気を付けたいこと
- ・情報量が多く学習が難しい
- ・単語数が多く和訳の難易度がかなり高い
- ・演習が少なく応用問題が解きにくい
- ・ガイドラインがないので自力学習が難しい
- ○ プログレスの勉強方法や注意点
英語の教科書プログレスとは?
プログレス(PROGLESS IN ENGLISH)は、ロバート・M・フリン氏が著した難関校向けのハイレベルな英語の教科書です。
単語数が大変多く、かなり難易度が高い内容であるため、わかりやすく改訂したプログレス21(PROGRESS IN ENGLISH 21)も作成されています。
厳密には文科省認可を受けていない副教材で、別途に検定教科書を購入する必要がありますが、実際にはこれのみで授業することが多いです。
プログレスはもともとミッション系の進学校などで使われていましたが、50年以上経つ今でも名門私立や中高一貫校を中心に支持される英語教科書の1つです。
プログレスの特徴は、単語数が多く、長文読解を通じて実用的な英語力を高める点にあります。ただ、難易度が高いことから、最初は難しく感じるかもしれません。
特に、長文読解や複雑な文法の習得には時間がかかるでしょう。
しかし、効果的な勉強法を実践すれば、十分に使いこなせる教材です。例えば、新しい単語は必ずメモして復習し、文法は例文を通じて理解を深めましょう。
また、長文読解では、段階的に内容を把握することが大切です。最初は要約を試み、少しずつ細かい部分の理解に進むことで、着実に読解力を養えます。
英語の教科書プログレスの特徴
プログレスには、従来のプログレスと改訂版のプログレス21の2種類があり、それぞれBook1~Book5まで全5冊で構成されています。
一般の英語の教科書より圧倒的に多い単語数とハイレベルな内容であることから、予習復習が欠かせません。
プログレスの特徴をまとめると、以下のとおりです。
・主に中高一貫校で使用されている
・難関校でも指定されている
・一般的な英語の検定教科書よりも難易度が高い
・聞く→話すという音声を主軸に構成されている
・扱う単語数や英文の量が多い
これらの特徴から、文部科学省の検定外教科書となっています。
高い難易度の検定外教科書である
プログレスは難易度が高いといわれるのはなぜなのでしょうか。それは、単語数や英文の難解さに理由があります。
プログレスの難易度を改善したプログレス21でも扱う単語数はBook3までで約3000語もあり、公立の中学検定教科書の約900語・新指導要領の1200語などと比べて圧倒的に多いです。
さらに、掲載されている英文のほとんどが物語・小説・会話文などで構成されていることも特徴です。中高生にとっては非常にハイレベルな教材といえます。
このため、予習と復習が重要となり、定期的な学習の習慣が求められます。
リスニングや会話に比重をおいている
プログレスは、実社会で必要な実践的な英語力を養う目的で、主に日常生活で使用頻度の高い英会話およびリスニングに比重を置いています。
聞く→話すというリスニングの鉄則にしたがって作成されているので、音声データを活用した練習が効果的です。
プログレスは別売りで音声データを販売しているので、正確な発音やリスニングの練習を繰り返すことができ、特に会話力や実用的な英語力を高めるのに役立ちます。
実用的な英文と語彙を提供している
プログレスの特徴は、主に実社会で必要な実践的な英語力を養う目的で作成されていることです。
掲載されている英文は、実際に会話文などで使われている英語です。単語や文法も、学習者が自身で発話できるような実践的な内容で、英語力を高めることができます。
これにより、長期的に使える英語スキルを身につけることが可能です。
反復学習がしやすいように設計されている
プログレスは、リスニングしてスピーキングに移るという反復学習がしやすい設計になっています。
20名程度の少人数制のクラスであれば、特定の生徒が遅れを取ることはあまりなく、授業中に同じ生徒が何回も発言する機会があるのでスピーキングの反復練習にもなるでしょう。
予習中心にしっかり学習し、自主学習の習慣を身に付けることが効果的です。
また、同じ文法事項を後のほうでも反復学習できるようカリキュラムが組まれていることもほかの教科書にはないプログレスの特徴です。
このように、プログレスは一般的な英語の教科書と比べて難易度が高いものの、効果的な予習復習と反復学習を行うことで、確実に英語力を向上させることができます。
私たちの予備校では、プログレスに特化した授業を行い、個別指導を通じて生徒一人ひとりの進度に合わせた学習をサポートしています。
苦手な部分を克服し、英語力を効率的に高めたい方は、ぜひ無料相談にお申し込みください。
英語の教科書プログレスの勉強法
ここからは、前述したようなプログレスの特徴を踏まえ、生徒が自主的かつ効率的に学習する方法をお伝えします。
予習復習の時間を確保する
プログレスの教科書は、1回の授業で見開き2ページを1レッスンとして扱うよう、以下の5つの項目で構成されています。
1.Scene:本文(左側)
2.Look:文法の大事なポイント(左側)
3.Speak:スピーキングの練習(右側)
4.Practice:問題練習(右側)
5.Check:文法の復習(右側)
これら5つの項目を1レッスンで学習するため、予習復習をしっかりしておきましょう。
わからない単語があれば調べておき、予習の段階で和訳を完了しておくと授業中の理解が深まります。
また、LOOKは日本語を見て英語を手を止めずに書けるようになるまで暗記を繰り返しましょう。LOOKをしっかりと理解し暗記していくだけでも英文法の基礎が確立していきます。
別の教材を使って勉強する
Book1のうちはイラストや日本語の説明も載っていますが、Book4~5になると英語のみの説明と表記になってきます。英語の文法書など、日本語で説明された参考書が別に必要になってくるかもしれません。
また、音声CDなどの教材を使ってリピートするだけでなく、自身の発音をセルフレコーディングして、確認しながら使うと自然な発音とイントネーションで覚えられます。英語を英語のまま理解するために、英英辞書を使いながら解読するのもよいでしょう。
大学受験を意識し始める高校生は、プログレスでは評論文や時事英語が少ないため別途大学受験用の長文教材を使って勉強をしていくとよいです。
勉強の流れを意識する
授業の流れや時間配分を意識することで、より効率的に学習できます。1レッスン50分の授業のうち、冒頭10分で前レッスンの復習を行い、今回のレッスンにスムーズに移行できるように関連付けます。
上級生になると、この開始10分を利用して、前レッスンの単語6問・文章4問程の小テストを出題して復習をチェックする場合もあるでしょう。
続く10分は、CDおよび教師のモデルリーディングの後を生徒が2回以上つづけて読みます。
残りの30分で、各セクションをほぼ均等に扱うような時間配分と流れを意識して授業を受けると内容をしっかり理解できるでしょう。
テスト対策しながら使う
結論からいうと、プログレスは受験対策にはあまり向いていません。
例えばプログレスの読解問題ではBook1はグリム童話、Book2はアメリカ、Book3はイギリスを中心に言語・文化・歴史・社会などを取り上げているのが特徴です。
Book4・5・6と進んでいくと、英語の論文の書き方なども出てきますが、大学入試の英文読解問題は評論文や時事英語が主に出題されます。
大学受験対策としては、ほかの英語長文問題集が必要になります。
英語の総合力をつけるのには素晴らしいテキストではある一方、大学受験を意識し始める高校生は、プログレスの英文読解問題だけでは対応しきれません。
各自で塾や予備校でテスト対策しながら使うように注意してください。
予備校を利用する
プログレスはその中身に精通していないと非常に扱いにくい教材です。教わる場合は必ず、プログレスに精通している先生から教わりましょう。
生徒側の毎日の予習復習といった努力も必要ですが、講師側のプログレスへの理解の深さと指導経験の豊かさに帰依するところも大きいからです。
私たちの予備校では、中高一貫中学生を対象に個別指導によってプログレスの指導法に精通した講師が生徒の悩みを解決するコースを用意しています。
自学自習が苦手・学校の授業だけで理解できないといった方は、まず一度ご相談ください。
英語の教科書プログレスを使うときに気を付けたいこと
英語の教科書プログレスを使うときに気を付けたいこととして、以下のような点があります。
・情報量が多く学習が難しい
・単語数が多く和訳の難易度がかなり高い
・演習が少なく応用問題が解きにくい
・ガイドラインがないので自力学習が難しい
ここからは、1つずつ詳しく説明していきましょう。
情報量が多く学習が難しい
プログレスは情報量が多く、生徒は毎回出てくる新しい単語を覚えるだけでも大変です。いわゆる教科書ガイドや参考書も市販されていません。
そのため、家庭学習中にもガイドに頼れず、自力で予習復習を行う必要があります。かといって授業中に全てを理解できる程、プログレスの内容は簡単でもありません。
このことから、どうしても理解不明な点が残されたまま先に進んでしまうことも生徒の抱える悩みの1つでしょう。
生徒は予習と復習をしっかり行う必要があります。
予習では、授業前に教科書に出てくる新しい単語や文法を確認し、できるだけ多くの単語を覚えておくと、授業中の理解が深まります。
また、復習では、授業で学んだことを繰り返し確認し、不明点をクリアにしておくことが大切です。予習と復習をしっかり行うことで、情報量の多さにも対応できるでしょう。
単語数が多く和訳の難易度がかなり高い
プログレスに出てくる単語の量が多すぎて、毎回覚えきれないというのも生徒が陥りやすい状況の1つです。
また、出てくる単語も物語や小説などから抜粋されることも生徒が頭を抱える問題点です。
文学的表現も含めて直訳しただけでは意味がわからないため、頭のなかで全体の意味を深く汲み取り、熟考する必要があるでしょう。
直訳では和訳が意味をなさないことも英語学習の醍醐味ではあるのですが、中高生の英語学習者には難易度はかなり高いかもしれません。
単語の直訳だけではなく、全体の文脈を把握し、和訳の練習をすることで、この難易度の高い内容にも対処できます。和訳を練習する際には、参考書や辞書を併用するのも効果的です。
演習が少なく応用問題が解きにくい
プログレスは内容がハイレベルなですが、大学入試に則した応用問題が少ないため、自身で応用力を養う必要があります。
プログレスの教科書では、見開き1ページで1レッスンの目安で進められ、問題練習はPracticeという項目で、右側のページに載っています。
同じく右側には、文法の復習としてCheckという項目があるので各自復習に使うといいでしょう。
ただし、中高一貫校の場合は早めに教科書の内容を終わらせ、重要な点を繰り返し学習させる傾向があり、授業はかなりスピーディーに進められます。
そのため、演習が少なく応用問題が解きにくいと感じる生徒も出てくるでしょう。教科書の応用問題を繰り返す・今日習った文法を使って構文を作るといった復習を行ってください。
ガイドラインがないので自力学習が難しい
プログレスは、文部科学大臣の検定を受けて正式に小学校・中学校・高等学校で使用が認められた検定教科書ではありません。
そのため、ガイドラインがないので自主学習が難しいという方もいるでしょう。
毎日の予習復習や自主学習を充実させることはもちろんですが、プログレスの内容に特化した指導をしている予備校に通うなど、必要に応じてフォローアップしてもらうことをおすすめします。
プログレスの勉強方法や注意点
今回は、中高一貫校を中心に使われている英語の教科書プログレスについて、特徴・学習法・注意点などを詳しく解説してきました。
プログレスを使うことに不安がある・難易度が高い点に対してどう対処すれば良いかわからない・学習を進める際の具体的な注意点がわからない方が、注意すべきポイントは以下の3つです。
・情報量が多く学習が難しい点
・単語の量が多く難易度が高い点
・応用問題が少なく自習が難しい点
これらプログレスを使う際の問題点を具体的に理解することで、学習を進める上での心構えができるはずです。
プログレスで学習した英語は、社会人になってからも実際に生活で使えるよう工夫されています。
上学年になるほどたくさんの読解問題やリーディングがあるため、長文読解の力がつき、さらに単語力・文法力・英作文力も育っていくことでしょう。
ただし、毎日の自主学習を充実させるうえでガイドラインがないので難しいという方は、プログレス対策専門の講師がいる塾や予備校に通うことも選択肢に検討してみてはいかがでしょうか。
横浜予備校では、24時間ラインサポートを提供しており、授業外でも気軽に質問や相談ができる環境を整えているため、保護者の方も安心感を持ってお子さんを通わせることができるでしょう。
ぜひ無料相談にお申し込みいただき、適切な学習サポートを受けてください。