「なんとなくこんな感じの仕事がしたいかなあ」とまでは思っても、「本当に大丈夫かどうか」とか、「自分はもっとやりたいことがあるのでは?」とか、はっきり決めにくいものですよね。横浜予備校でもなかなか志望校、志望学部が決まらずに悩んでいる人がたくさんいます。
まだ将来が決められなくてもしょうがないですが、しっかり調べて、知識を少しずつ増やしていくことは行っておきましょう。
そこで今回は、理系の代表的な学部であり、生徒数も非常に多い「工学部」についてご説明いたします。
理学部とは一体何が違うのか、工学部で取得できる資格はなにがあるか、といったことをご説明しますので、ぜひ学部選びの参考にしてください。
目次
- ○ 工学部とはどのような学部なのか。
- ・工学部の概要
- ・工学部で学ぶこと・学ばないこと
- ○ 工学部はどのような学科に分かれているか。
- ・電気系
- ・建築系
- ・化学系
- ・機械系
- ・その他
- ○ 工学部に進むとどのような仕事に就きやすいか。
- ○ まとめ
工学部とはどのような学部なのか。
ではまず工学部はどのような学部で、どんなことを学ぶのか、どのような学科に分かれているのかということについてご説明していきましょう。
工学部の概要
工学部は科学的な発見や理論を、実社会で活用するための技術や知識を研究する学部です。
「理学部」は、数学や理科をとことん深く研究していく学部。自然現象を説明できる理論を新しく発見して、それらを証明する学部です。一方で「工学部」は、それらの理論を、社会をもっと便利で豊かにするためにどのように応用すればよいかを考える学部です。
工学部で学ぶこと・学ばないこと
現在身の回りにある物は、ほとんどが工学の所産と言ってもよいでしょう。スマホやパソコンもそうですし、家、時計、冷蔵庫、エアコンなど、工学が関わらずに生まれていないものはほとんどありません。本も「印刷技術」を開発しているのは工学です。様々な製品を、できるだけ効率的で、低コストに開発する方法を研究します。
そのために工学部で学ぶのは、まず基本的な「数学」「物理」「化学」などからはじまり、その後研究対象によって「流体力学」「熱力学」「有機化学」などへ、勉強内容が分かれていきます。
逆に工学部で学ばないことは、主に「人間の考えや行動」に関わることと言えるでしょう。もちろん研究対象によっては重なることもありますが、文学や歴史、政治・経済、社会のシステムなどを学ぶのは主に文系学部です。
工学部はどのような学科に分かれているか。
工学部の学科は、非常にたくさんあります。大学によっても様々で、ユニークな学科がある大学もありますが、どこも中心となっているのは「電気系」「建築系」「化学系」「機械系」の4つ。
電気系
これはかなりかみ砕いて言えば、「電気を利用する製品を開発する学科」と考えるとわかりやすいかもしれません。学ぶ内容はシステム制御、情報通信、波動、物性デバイス、集積回路、半導体デバイス、電気電子工学など。
建築系
家、ビル、公共建造物などといった建物の、外や内側の環境に関することを研究する学科。安全で丈夫な建物を設計することを目指すのみならず、合理的な電気設備や空調設備、給水設備などについても研究します。さらに建物で過ごす人の環境、街全体の環境を研究する学科もあります。
化学系
物を、原子や分子レベルで開発して、新しい物質や素材を作り出したり、その素材を低コストで生産するシステムを考える学科。例えばスマホで言えば内部の半導体は「電気系」ですが、長持ちする充電池を開発しているのは化学系です。
ちなみにノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが、京大工学部の石油化学科出身。安全なリチウムイオンバッテリーを開発して受賞しました。
機械系
石油コンビナートといった大きな機械から、時計といった小さな精密機械に至るまで、さまざまな「機械」が実用性を保つための知識、材料の強度、図面の書き方などについて学ぶ学科。自動車や飛行機が好き、ものづくりが好きという人におすすめです。
その他
他にも工学部にはさまざまな学科があります。バイオテクノロジーを研究する「生物系」、IT技術を学ぶ「IT情報系」、ロボティクステクノロジーを学ぶ「ロボット学科」など。現在はAIやITといったパソコンの発展が目覚ましい時代ですので、IT系学科は非常に注目されています。
それから国立大に多い「航空宇宙工学科」も非常に人気がある学科。宇宙に興味がある人は調べてみましょう。
工学部に進むとどのような仕事に就きやすいか。
工学部は実用的な技術を学ぶため、他の学部に比べて就職しやすい学部であると言えるでしょう。その中でも特にどのような仕事に就きやすいのでしょうか?
●研究職
医薬、食品業界や、電気機械系、自動車系の企業で、新しい製品開発に従事する仕事です。一般企業にかかわらず、大学や国の研究所で働く人もいます。
●機械エンジニア
自動車や船といった輸送機器をはじめ、工業ロボット、精密電子機器といった機械系の設計や開発、メンテナンスを行う職業です。また整備士として、自動車や航空機などの故障をチェックする職業もあります。
●建築士
建築学科から進むことが多い職業。建築士の国家資格を取れば、建物を設計したり、建設工事の監理を行ったりすることができるようになります。
●プログラマー、システムエンジニア
現在はパソコンを使って仕事をすることが当たり前になった時代。そのために必要な「ITプログラマー」や「システムエンジニア」といった仕事は、非常にニーズが高く、花形の職業になっていると言えるでしょう
企業のホームページを見やすいものにするコーディングをしたり、仕事の効率を上げるプログラミング開発を行ったりする仕事です。
まとめ
今回は横浜の高校生の学部選びの一助となるように「工学部」に絞って、学ぶ内容や、将来なれる職業について紹介いたしました。
今や世の中は、家電製品に溢れています。多くの人々にパソコンやスマホが利用されている現代では、工学部は最もニーズがある学問と言ってもよいのかもしれません。特に機械いじりや、パソコンのプログラミングなどに興味がある人は、最有力候補です。