目次
- ○ 生物オリンピックに挑戦するなら、勉強法はコレ!
- ○ 国際生物学オリンピックとは?
- ○ どんな問題が出題される?
- ・一次試験
- ・二次試験
- ・代表選抜試験
- ○ 受験対策について
- ・教科書の内容を完璧にする
- ・資料集からイメージを膨らませる
- ・大学入試の過去問で肩慣らしをする
- ・より高度な専門書を使う
- ○ まとめ
生物オリンピックに挑戦するなら、勉強法はコレ!
全世界で行われる科学オリンピックの一つに国際生物学オリンピックがあります。そして国際大会に出場するためには、国内で複数回実施される選考を突破しないといけません。今回は、一次選考に合格するために意識したいポイントについて、実際に選考を突破して二次試験でも入賞した経験のある筆者が解説します。受験を考えている中学生や高校生はぜひ参考にしてください。
国際生物学オリンピックとは?
国際生物学オリンピックは、年に一度開催される科学オリンピックのうちの一つです。前年に行われた国内選考を突破した数名が、日本代表として本戦に出場します。そのため、本戦出場まで考えるならば、高校2年生以下の学年で国内選考を通過しないといけません。実施された年度によって多少の差はありますが、基本的には国内選考は三段階で行われる点が特徴です。公式ホームページによると、毎年4000人から5000人の受験者の中から、一次試験で80名を選抜しているようです。
どんな問題が出題される?
続いて、選考の各段階でどのような問題が出題されるかを解説します。今回の記事では、一次試験を突破することを主眼に置いているため、特に一次試験について詳しく紹介します。
一次試験
一次試験は全てマークシート式の問題となっています。扱われる内容は高校範囲ですが、全体的に高度な考察を必要とする問題が多く、単に学校の授業を終えただけでは太刀打ちできない難易度です。90分の試験時間の中で、20問程度を処理しないといけない点も試験を難しくしています。大学の入試問題と比較すると、問題文は短く比較的簡単に記述されていますが、出題のレベル自体は最難関レベルと言っても過言ではないです。多くの国立大学の入試問題をスムーズに解けるようになって初めて一次試験に挑戦できるかどうかと行ったところだと言えるでしょう。また、大学受験においては、典型問題や類題といったものが存在することもありますが、生物オリンピックにおいては、受験者の考える力を見るために、ほとんどが初見と思われる問題となっています。問題ごとに今までに学習した知識を動員しながら深く考えることが大切になります。
二次試験
二次試験は、新型コロナウイルス対策があった年度を除き、実技試験が科されるのが通例です。筆者が受験した際は、大学に2泊3日程度で泊まり込み、合計で4種類の試験を行った記憶があります。これらの実技試験のポイントは、道具の扱い方や実験の手順のスムーズさといった部分ではなく、実験結果から自分なりの正しい解釈を導けるかどうかです。実験結果はレポートの形式で提出し、最終日にその結果で順位が決定します。二次試験で上位に入った受験生のみが、最終選考に進めます。
代表選抜試験
筆者は代表選抜試験の受験経験がないので、公式ホームページに掲載されている情報を元に解説します。代表選抜試験は、記述式からなる考察問題です。高校範囲で学習する基本的な知識を元に問題文を読み解いて解答する流れは一次試験と近いですが、記述である分だけ難しくなっていると言えます。
受験対策について
ここからは、一次試験に合格するための勉強のポイントについて解説します。全国4000人の中で80位以内に入賞しないといけないため、難易度は非常に高いことはあらかじめご了承ください。
教科書の内容を完璧にする
最もシンプルかつ欠かせないポイントとして、教科書の内容を完璧に理解することが挙げられます。これができていないうちに問題を解こうとしても、問題文の意味すら分からずに終わることになるでしょう。全ての単元について、自分の言葉で細かく解説できるようになって、初めて教科書を理解したと言えると思ってください。
資料集からイメージを膨らませる
教科書では足りない知識を補うには資料集が役立ちます。細かい知識についても解説されていることに加え、実験の写真やイラスト、模式図等も載っているため、イメージを膨らませながら学習することができます。生物の学習をする場合は、必ず手元に資料集を置き、いつでも確認できるようにすると良いでしょう。
大学入試の過去問で肩慣らしをする
生物学オリンピックの国内選考では、一次試験の段階から、大学の入試問題より高度な問題も出題されます。そのため一次試験を突破するには、大学の過去問がスラスラ解けるくらいの実力を身につける必要があります。旧帝大学のレベルを難なく解けるようにすることを目標にしながら、さまざまな大学の問題を解くことが大切です。知識を聞かれる問題は即答できるようにし、考察問題では、じっくりと時間かけて考える練習をすると良いですね。
より高度な専門書を使う
生物学オリンピック受験者が愛用する専門書として「キャンベル生物学」というものがあります。この本は非常に分厚く、1ページに載っている情報量も膨大であるため、全ての範囲を学習するのはなかなか大変です。それでも、絶対に一次試験を突破したいと考えているのであれば、少しずつでも学習を進めておくと良いです。全体を学習する時間がない場合は、自分が苦手とする単元だけでも知識を吸収しましょう。
まとめ
生物学オリンピックの問題は、並の大学受験生では解答できないほど難しいです。世界大会に出場するためには、高校2年生以下の学年で国内選考を突破しないといけないため、難易度は非常に高いことがお分かりいただけるかと思います。挑戦を考えている方は、今回紹介した内容を元に、じっくりと時間をかけて学習してみてください。