「化学基礎」は文字通り化学の基礎です。
文系・理系ともに学ぶ「化学基礎」は原子・分子の構造や結晶、酸塩基反応、酸化還元反応などの基礎的な部分を学んでいきます。
共通テストの平均点は、センター試験のころと比べて若干難しくなり、おおむね55%~60%くらいになっているようです。
そして出題形式は、大問1で化学基礎の全範囲から万遍なく小問集合と言う形式で出題され、大問2では一つテーマを決めた応用問題が出題されています。
おおむね大問1のほうが大問2よりも難易度が低い傾向にあり、配点割合は昨年度大問1が30点・大問2が20点でした。
化学基礎で9割(45点)を狙うのであれば、大問1で30点をとり大問2で15点を取ることが基本になってくるでしょう。
目次
化学基礎【大問1】について
2023年共通テストで出題された分野は【物質の構成】【状態変化】【物質量】【酸と塩基】【酸化還元】【イオン化傾向】でした。
どれも複雑な計算を必要とするものではなく、高校の定期テストの内容と変わらないレベルではないかと思われます。
ただし、立式・計算に全く関係のない数値が設問中に与えられているなど、若干ひっかけ気味な設問もあり、ちゃんと現象を理解したうえで立式していくことが重要でしょう。
化学基礎【大問1】で満点を取るために必要なこと
設問自体の難易度は高くないため、しっかりと問題演習をしている方であれば満点を取ることはそこまで難しくはありません。
高校で配られてた化学基礎の問題集などをこなしていけば大丈夫でしょう。
奇をてらった問題が出題されにくい傾向にあるため、基本的な問題集を2周3周とやりこんでおけば本番ではどこかで見たことがあるような問題ばかりに感じるかもしれません。
大問2に使う時間を確保するためにも、可能な限り高速で解いていきたいものです。
化学基礎【大問2】について
2023年共通テストでは、「血圧がたかめの人は、塩分のとりすぎに注意しなくてはいけない」と言う出だして、しょう油の話題があがっていました。
『なんじゃこりゃ?』と思った受験生もいたようですが、問題文を読み進めていくと別に高血圧やしょう油は関係なく、酸化還元反応・イオン反応・沈殿滴定などを絡めた問題でした。
「しょう油」と言う文字を「水溶液」に置き換えて読んでもほぼ問題なく読んでいけますので、見たことない文章にあせらず、落ち着いて問題文を読むようにしてください。
化学基礎【大問2】で15点を取るために必要なこと
20点満点中15点を狙っていくわけですが、設問ごとの配点が2点~3点なため、3点問題を2問落とすと9割を切ってしまいます。
そのため、落としていい問題は1問となってしまいます。
また、数学ほどではないですが一連の流れとして問題が作られているため、ひとつ前の問題が解けなかった場合、連鎖的に次の問題も失点する危険性もあります。
ですので、15点を狙っていくとなると必然的に満点を狙いに行くのとほぼ同義となってしまいます。
ここで高得点を狙っていくためには大問1と同様に問題演習が重要となってきますが、高校で配られる問題集は単元ごとの問題になっていることが多いため、総合的な演習が出来る問題集を別途用意する必要があるかと思われます。
そして、もし可能であるならば、滴定関係の問題を多めに演習しておいたほうが良いかもしれません。
これは私見ですが、化学基礎の分野でボリュームがあり、様々な分野にまたがる総合問題を作成しようとすると、滴定関係の問題をベースにしたほうが作りやすいと私は考えています。
もちろん、様々なタイプの問題を演習しておくのが最重要ですが、入試直前期の時間がないときに選ぶ最後の演習問題としてはお勧めだと思います。
全体的な戦略
得点力以外の部分で押さえておく必要があることですが、2023年共通テスト化学基礎の問題は、大問1が30点/9問/5ページであったのに対して、大問2は20点/5問/7ページでした。
配点の高い大問1のほうがページ数が少ないのです。
そして難しめの問題は大問2のほうにあるため、配点割合=時間配分で解いてしまうと時間が足りなくなる可能性があります。
ですので、ここは配点割合=時間配分ではなく、ページ数で時間配分を考えたほうが良いでしょう。
余裕をもって、1ページ2分で考えると大問1は小問1問あたり1分強で解き、大問2は小問1問あたり3分弱を目安にすると多少見直しの時間が取れます。
共通テスト化学基礎で9割を狙う方は、高3の夏ごろには大体7割以上得点できるようにしておき、夏以降の演習で速度を意識しながら問題演習に取り組むと最終的に9割が見えてくるはずです。
問題演習は共通テスト・センター試験の過去問も必ずやっておきましょう、化学基礎は2015年以降に出来た科目ですのでそこまで多くありませんので十分にこなせる量だと思います。
そして、万全を尽くし9割と言わず満点目指して頑張ってください。