大学入試を攻略するためには、模試を定期的に受けて自分の立ち位置や勉強の進み具合を確認する必要があります。今回は、数多く存在する模試の中で代表的なものを、その特徴とともに紹介します。学力や志望校によって受験するべき模試の種類も変わりますので、そのあたりにも注意しながら読んでいただければと思います。
目次
進研模試
進研模試はベネッセコーポレーションが実施している模試で、学校団体での受験が基本となります。多くの高校がこの模試を取り入れているため、受験者数が多いことが特徴です。進研模試は、他の予備校が主催する模試と比べて、極めて難易度が低いことも特徴です。
そのため、難関大学の受験を考えている学生がこの模試だけで自分の学力を把握することは現実的ではないと言えます。別の言い方をすると、進研模試で高い偏差値や良い判定を取ったとしても、それだけで自分の状況を理解するのは危険ということです。受験校が多いため、得られるデータの信頼性は高いですが、難易度が低いため、上位層の中での棲み分けが明確にならない点は注意が必要です。
逆に、進研模試でも良い点数が取れない場合は、相当に学力が低いと思われます。基本的な理解の段階から不足している可能性がありますので、すぐに自分の弱点を探して対策するようにしましょう。
全統共通テスト模試(マーク式)
全統共通テスト模試は、河合塾が主催している模試です。共通テストの形式に沿った構成となっており、解答もマークシートで行います。難易度は共通テストに沿ったものであるため、難しすぎず簡単すぎずといったところです。一つの年度で3回実施されるため、全て受けて自分の学力の推移を知るような使い方をしても良いですし、本番直前の最後の1回だけ受験しても良いでしょう。
共通テストの中には、独特な形式を持つ科目もありますので、傾向に慣れる意味でも最低1回は受験しておくことをおすすめします。中堅校を目指すのであれば偏差値50〜60程度、難関校を目指すのであれば、偏差値60以上は取れるようにしたいです。
また、全統共通テスト模試の特徴として、ドッキング判定というものがあります。これは、マーク式模試の結果と記述式模試の結果を合わせた上で、志望校の判定を出してくれるというものです。国立大学を志望する場合は、共通テストの点数と二次試験の点数を合算して評価されることがほとんどなので、ドッキング判定を利用すると、より正確に自分の合格可能性を知ることができます。
全統記述模試
全統記述模試は、河合塾が主催する記述式の模試で、学校等で受験した経験のある方も多いと思います。全統共通テスト模試とは異なり、記述式の設問が多く含まれている点が特徴です。自分の志望校が記述式の問題を出題すると分かっているならば、その対策として受験する価値のある模試と言えます。
難易度は標準的で、この模試で偏差値65程度を取れていることが、難関校を受験できるかどうかの一つの目安になります。前述したように、全統共通テスト模試を受験していれば、その結果と合わせたドッキング判定を受けることができます。
駿台全国模試
駿台全国模試は、駿台予備校が主催する記述式の模試です。予備校が主催する模試の中では、大学別模試を除けば最上位の難易度となります。そのため、偏差値60を超えることもなかなか難しい特徴があります。逆に言えば、駿台全国模試の全ての受験科目で偏差値65程度を取れていれば、国内のほとんどの大学を受験するだけの力が身につきつつあるとも考えられます。難関大学の受験を考えている学生は必ず受験してほしい模試ですが、日東駒専やMARCHレベルの受験生は無理して受けなくても良いと言えるでしょう。
大学別模試
最後に紹介するのは、複数の塾や予備校が実施している大学別模試です。河合塾ならば「東大入試オープン」、駿台予備校ならば「東大入試実戦模試」、東進ならば「東大本番レベル模試」といった具合です。これらの模試の特徴は、各大学の二次試験の形式をできるだけ模倣した問題となっている点です。場合によっては、解答用紙の大きさや問題の配置まで同じになっていることがあります。
最難関の大学を受験する学生は、必ず自分の志望校に対応する大学別模試の受験をするべきです。理由としては、受験の形式に慣れられることがあります。赤本でも問題の形式は分かりますが、正確な時間制限の元で解答することや、解答用紙に過不足なく記述することなどは、なかなか自学では再現しづらいです。
大学別模試を受験することで、実際の入試の雰囲気を体感できる点がメリットです。もう一つの理由として、志望者の中での自分の順位を知ることができる点があります。各大学に特化した模試なので、その大学を志望する学生の多くが受験します。そのため、さまざまなレベルの受験者がいる模試よりも、より正確に自分の立ち位置を把握できることになります。
まとめ
今回は、5種類の代表的な模試について解説しました。自分の現在の学力にふさわしい模試を選び、その結果をうまく利用することを意識すると、より有意義な模試の使い方ができると思います。