「医学部に行きたいけどできるだけお金をかけたくない…」という家庭は多いと思います。国公立医学部は学費が私立に比べると格段に安いですから国公立に行くに越したことはないかもしれません。ただ、国公立医学部は共通テストがとても大切であり、共通テストで失敗するとかなり厳しくなってしまいます。また前期と後期の2回しかチャンスがないのでできるだけ医者になるチャンスを増やしたいところです。
そこで、今回にご紹介したい医学部が国際医療福祉大学です。
目次
- ○ 国際医療福祉大学とは
- ○ 国際医療福祉大学の学費・特待生制度
- ○ 国際医療福祉大学の入試対策
- ・英語の特徴と入試対策
- ・数学の特徴と入試対策
- ・化学の特徴と入試対策
- ・生物の特徴と入試対策
- ○ おわりに
国際医療福祉大学とは
国際医療福祉大学は最も新しく設立された医学部で2016年に新設されました。
千葉県成田市に位置し、人口に対して医学部が少なかった関東地方にとって貴重な医学部の一つになっています。
学年140名のうち20名を海外からの留学生が占めており、日本にいながら海外の医学部にいるような教育を受けることができる大学です。国際教育に非常に力を入れており、授業は全て英語で行われています。ここから、国際的に通用する医療人を育成することを目標としているのが分かります。
また授業進度もかなり早く一年生のうちから解剖などの基礎医学の授業が始まります。そして通常4年生が受けるCBT OSCEと言われる試験を国際医療福祉大学は3年生に受験することになっています。1年前倒しのカリキュラムになっており、かつ授業は全て英語なのでかなりの勉強量が必要です。大学生活を楽しみたいという方には向かないかもしれません。ただ、将来海外で活躍したいという方にはこれ以上の大学は存在しないと思います。
これを踏まえて皆さんには是非受験を検討しておいて頂きたいです。
国際医療福祉大学の学費・特待生制度
続いて最も大事になってくる学費について触れていきます。国際医療福祉大学は6年間総額1850万円となっており私立医学部の中でNo.1の安さになっています。
そしてこの大学の凄いところは「特待生制度」です。
もともと特待生制度は存在したのですが、2023年度入試から特待Sと特待Aに分けられ新しい特待生制度になりました。
特待Sは入学金150万円が全額免除され6年間で最大1700万円の奨学金を給付してもらうことができます。これによりなんと学費0円で大学を卒業することができます。一般選抜で20名が対象となります。
特待Aは入学金150万円免除、6年間最大1400万円の奨学金が給付されます。これにより6年間総額300万円の学費となり国公立医学部より安く卒業することができます。一般選抜で25名、共通テスト利用選抜で5名がこの対象となります。
ただでさえ安い学費なのにこういった特待生制度があることにより一般家庭でも十分狙える医学部となっています。ただ学費がこれほど安くできるということは受験難易度も当然高くなります。
年々難易度は上がってきており、私立医学部の中でもかなり上位に位置するほど難易度は高くなってきていると言われています。また、特待生制度を取るには上位国公立医学部に受かるくらいの学力が必要とも言われています。
本気で合格を狙うならしっかり対策をしなければなりませんね。
国際医療福祉大学の入試対策
1次試験では英語、数学、理科、小論文が実施され、英語200点 数学150点 理科200点となっており英語と理科の配点が少し高めになっています。これらは全問マーク形式です。
小論文は1次の合否には関係なく2次試験終了後に評価されるようです。2次試験では30分の面接が2回行われます。1回目の面接では志望動機、自己PR 2回目は医療系ニュース、提示されたテーマへの意見などが求められます。
面接と小論文は点数化されておらず基本的には学科試験の点数で決まると思いますが、面接が計60分ととても長いので対策はしっかりしておきましょう。
続いて各科目の対策について述べていきます。
英語の特徴と入試対策
制限時間は80分。
この大学は英語でかなり差がつくので重点を置いて述べていきます。
大門5問構成で文法問題、並び替え問題、長文正誤問題、読解問題2つが出題されます。
長文読解力はもちろんですが文法力や熟語暗記で差がつく試験になっています。
大門1の文法問題はそんなに難しくないので確実に高得点を狙っていきたいところです。普段から文法のトレーニングを心掛けるようにしましょう。
大門2の並び替え問題は難しい問題も入っていますので熟語の知識がしっかりないと解けない問題も多いと思います。また並び替え問題そのものに慣れていないと高得点は難しいでしょう。熟語の知識をつけた上で過去問でしっかり対策しましょう。
大門3の正誤問題は文法的な間違いもあれば文脈的な間違いも存在します。総合的な英語力が試されていると言えます。
大門4、5の長文問題は文章も難しく、設問も難しくなっており読解力が高くないと点数を取れない試験になっています。普段から長文をどれだけ読んできたかが鍵になりそうです。
英作文の出題はないので英作対策は不要です。
ここの英語は制限時間に対して問題量が非常に多いです。かなりの処理速度がないと最後まで解き切ることは難しいと思います。わからない問題はとばして解ける問題を確実に取りにいくようにしましょう。
目標点ですが、英語が得意な人は8割を狙って欲しいです。そうでない人も6割は最低でも欲しいところですね。あまりに悪すぎると配点上他の科目での挽回が厳しくなってしまいますのでしっかり対策しておきましょう。
数学の特徴と入試対策
制限時間は80分。
大問4問構成で、大門1は小問集合になっています。
全体的にそこまで難しい問題は出ず、標準的な問題が多いです。
大問4は毎年数学Ⅲの微分・積分からの出題になっており微積の対策は必須です。
それ以外だと数列、確率、ベクトルが頻出分野になっています。
ただ時間的にはかなり厳しいのですぐに解法が頭に浮かぶようにしなければなりません。チャートなどの網羅系問題集で基本問題の学習をしっかりしておくことが大切です。
8割を目標点にしましょう。数学はそこまで難しくないので点数が悪いと他に差をつけられてしまいます。最低でも7割は取りたいところです。
化学の特徴と入試対策
理科は2科目で120分なので化学にかけられる時間は60分です。
大問4問構成で、無機と理論を絡めた大問が毎年出題される傾向です。そのせいもあってか酸化還元や電池の問題が多いです。
そしてこの大学の化学は有機が難しいです。
ただしっかり演習していれば十分解ける内容なのでしっかり対策をしておきましょう。
全体的に丸暗記ではなく思考力を要する問題が多いので、どれだけの問題を演習してきたかが鍵になってきそうです。
化学も時間がかなりタイトで、分からない問題は捨てて解ける問題を優先しましょう。
目標点としては8割は欲しいです。悪くても7割は取れるようにしましょう。
生物の特徴と入試対策
理科は2科目で120分なので生物にかけられる時間は60分です。
分野の偏りが少なく、生態系や植物生理など医学とは関係ない分野も出題されます。
大問4問構成で前半が知識問題、後半が考察問題となっています。
知識問題は細かい知識を問われることが多く、簡単に解ける問題は多くないです。また考察問題も非典型問題が出題されるので教科書内容の基礎だけやればいいという試験ではありません。教科書発展内容も勉強しておく必要があります。
時間は少し厳しめなので知識問題で分かる問題を先に解答してから考察問題に取り掛かるようにしましょう。分からない知識問題は深く考えず諦めた方がいいでしょう。
目標点としては8割です。悪くても7割は欲しいですね。
おわりに
以上が各科目の対策になります。全体的に制限時間が厳しい試験となっていますのでしっかり時間を測って過去問演習を行うようにしましょう。
将来海外で医師として活躍したいという思いが少しでもある方は、是非受験校として検討してはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました!