
医学部受験の理科では、多くの場合、生物と物理のどちらを受験するか検討する必要があります。
そして、生物と物理のどちらを選ぶべきか悩む受験生は多いでしょう。
医学部合格を目指すうえで、理科の科目選択は合否をわける重要な要素です。
この記事では医学部受験で生物に焦点を当て、物理との違いや生物選択のメリット、そして具体的な学習方法までを詳しく解説します。
自分に合った科目選びのヒントとして、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょう。
目次
医学部受験における理科選択の重要性

医学部入試では、理科は英語や数学と並ぶ主要科目であり、その配点は合否を左右するほど高くなっています。
特に、多くの大学で理科2科目が課されるため、どの科目を選択するかは得点力を大きく左右する要因です。
ここでは、理科選択がなぜ重要なのか、その理由と大学ごとの傾向を解説します。
理科選択が合否を左右する理由
医学部入試で理科選択が合否を左右する理由は、主に配点の高さと科目特性にあります。
理科は、大学にもよりますが総得点に占める割合が高い科目です。
そのため、理科で安定して高得点を取れるかどうかは、合格の可能性に直結します。
物理は思考力、生物は知識量がそれぞれ重視される傾向があります。
自身の得意な学習スタイルと科目の特性が合致しているかどうかが、最終的な得点力を大きく左右するのです。
もし不得意な科目を選択してしまった場合、学習に多くの時間を費やしても得点が伸び悩む可能性があります。
早期に自分に合った科目を見極め、計画的に対策を進めましょう。
大学ごとの指定理科科目の傾向
国公立大学や私立大学の医学部では多くの場合、理科は化学・物理・生物から2つを選択して受験することになります。
ごくまれに物理、化学の選択しか許されない場合もあるので注意しましょう。
大切なのは早い段階で志望校の募集要項と、自身の選択科目が受験資格を満たしているか、また過去の問題傾向から自分に合っているかを見極めることです。
さらに、過去問を徹底的に分析しその大学特有の出題傾向や形式、難易度を把握したうえで対策しましょう。
医学部受験で生物を選択をするメリット

医学部受験は物理が有利という話を耳にし、生物を選ぶことに不安を感じている受験生もいるかもしれません。
しかし、生物選択には物理にはないメリットがあります。
以下の4つの視点から、生物を選ぶ強みを具体例とともに紹介します。
暗記力で差がつきやすい
生物の科目の大きな特徴は、その膨大な知識量にあります。
専門用語や生化学反応の経路、生物の分類、器官の名称と機能など暗記事項が多いのが特徴です。
物理のように、一つのひらめきで問題が解けるかどうかが決まる場面は少なく、地道な暗記と努力が点数に反映されやすいです。
生物は、正確に暗記していればしっかりと点がとれる問題が多いため、コツコツと知識を積み重ねることが得意な受験生にとっておすすめの科目といえます。
論理より記憶重視の傾向がある
生物の入試問題は、物理のように複雑な数式を駆使して答えを導き出す問題よりも、知識の正誤や基本的な知識を組みあわせる問題が中心です。
もちろん、実験考察問題などでは、与えられたデータや文章から結論を導く論理的な思考力も求められます。
文章を正確に読み取り、持っている知識と結びつけて解答を導き出すプロセスは、国語の読解力に近い側面も持ちあわせています。
そのため複雑な計算よりも文章を読んで内容を理解し、記憶した知識と照らしあわせる作業が得意な受験生は、生物で高い能力を発揮できるでしょう。
生き物や体のしくみに興味がある

受験勉強は長く続くため、興味のある科目を選ぶことはモチベーション維持につながります。
医学部に入学すると一般教養に加えて医学の基礎を学びますが、その内容の8割近くは生物の知識がもとになっています。
そのため、受験で生物を選択していた方は入学後の学習をスムーズに進められるでしょう。
さらに、生物で学んだ知識は、医師国家試験や実際の医療現場でも役立ちます。
長期的に見れば、医学部で学び医師を目指すなら物理よりも生物を選択する方が将来につながります。
数学や計算が苦手な受験生も学習しやすい
物理では力学や電磁気学など、多くの単元で数学的な思考と計算能力が求められます。
微積分やベクトルの知識がなければ、問題の意味を理解することすら難しい場合も少なくありません。
一方で、生物で登場する計算問題は、遺伝の法則に関する確率計算や光合成、呼吸の物質収支の計算など限定的なことがほとんどです。
そのため、数学や複雑な計算に苦手意識を持つ受験生にとって、生物は学習するうえでの心理的な負担が少ない科目です。
計算ミスによる失点のリスクを減らし、知識の習得に集中できる点は、生物選択の大きな利点でしょう。
生物と物理の違い

医学部受験の理科選択で生物と物理のどちらを選ぶか考える際は、両方の特性の違いを正しく理解することが重要です。
違いを知らずに選択してしまうと、学習を始めてから自分には合わなかったと後悔することになりかねません。
ここでは、3つの観点から比較しその違いを明らかにします。
難易度・得点しやすさの違い
物理と生物では、得点のしやすさの性質が異なります。
物理は、力学や電磁気学などの基本原理を深く理解することが求められ、その壁を越えるまでは得点が伸び悩む傾向があります。
しかし、一度原理をマスターすればそれを応用してさまざまな問題を解くことができ、高得点で安定しやすい科目です。
一方で生物は、覚えるべき知識量が膨大であり、全範囲を網羅するのに時間がかかります。
しかし、知識を積み重ねた分だけ着実に得点に結びつくため、大崩れしにくいのが特徴です。
満点を取るのは難しいかもしれませんが、努力次第で安定して高い得点率の維持ができます。物理は一点突破型、生物は積み上げ型の得点スタイルです。
大学・学部による有利不利の違い
一般的に、一部の難関国公立大学では物理選択が有利、あるいは必須とされている場合があります。
これは、物理学的な思考力や数理的な処理能力を重視する大学の方針が背景にあると考えられます。
しかしあくまで一部の大学の傾向であり、すべての医学部で物理が有利なわけではありません。
大切なのは、世間一般の有利不利という情報に流されるのではなく、自身の志望する大学の入試要項と過去の出題傾向を自分で分析し判断することです。
勉強時間の違い
勉強時間の配分の点でも、物理と生物には違いが見られます。
物理は、初期段階で基本法則や公式の意味を根本から理解することに多くの時間が必要です。
この概念理解のフェーズを乗り越えれば、後は問題演習を通じて応用力を養っていくことになります。
短期間で一気に成績を伸ばすことも不可能ではありません。
対照的に、生物は広範な分野にわたる膨大な知識を体系的に記憶していく必要があり、継続的な学習が不可欠です。
知識は時間とともに薄れていくため一度覚えただけでは不十分で、何度も繰り返し復習する時間も必要となります。
そのため、生物を選択する場合は受験勉強の早い段階から計画的に学習を始め、コツコツと知識を定着させていく戦略が必要です。
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医学部受験の生物の対策方法

生物を選択して医学部合格を目指すと決めたら、次は具体的な学習計画を立てていきます。
生物は知識量が膨大なため、やみくもに教科書を読み進めるのは効率的ではありません。
合格点を獲得するためには、知識をしっかりと定着させ、それを答案で表現する力を養うための計画的な進め方が必要です。
ここでは、4つの具体的な対策方法を紹介します。
基礎知識の理解
医学部受験の生物で高得点を狙うための第一歩は、教科書に書かれている基礎知識を完璧に理解することです。
用語をただ丸暗記するのではなく、その用語が意味する現象や仕組みを、自分の言葉で他者に説明できるレベルまで深く掘り下げて理解することが重要です。
この土台がなければ、実験考察問題や論述問題に対応できません。
図説や資料集を積極的に活用し、文字情報だけでなく視覚的なイメージとともに知識を頭に入れることで、記憶はより強固なものになるでしょう。
図や表を活用した暗記法
生物の学習内容は、複雑な代謝経路やホルモンの分泌調節、多様な生物の分類など文章だけで理解するのが難しいものが数多くあります。
これらの情報を効率的に整理し、記憶に定着させるために、自分で図や表を作成する学習法は大変有効です。
例えば、さまざまなホルモンの分泌器官や名称、標的器官、主な作用などを一覧表にまとめたり、解糖系から電子伝達系に至る代謝の流れを模式図で描いたりなどの作業です。
自ら手を動かして情報を整理する過程で、知識の構造が明確になり記憶に残りやすくなります。
過去問で出題傾向を把握

志望する大学の医学部に合格するためには、その大学の出題傾向を知ることが不可欠です。
できるだけ早い時期に志望校の過去問に目を通し、どのような形式(選択式・記述式・論述・描図など)で、どの単元からどの程度の深さの知識が問われているのかを分析しましょう。
この傾向の把握で、今後の学習の優先順位が明確になり、限られた時間を効率的に使うことができます。
また、過去問を解くことは実戦力を高める重要な対策の一つです。最低でも過去5年分、可能なら10年分は実施するのがよいでしょう。
頻出単元の重点対策
すべての単元を均等に学習するのではなく、出題頻度の高い単元に重点的に時間を割くことは、効率的な受験戦略の基本です。
医学部入試の生物は、一般的に遺伝情報(DNAやRNA・タンパク質合成)体内環境の維持(ホルモンや免疫・神経)生殖、発生などの単元が頻出とされています。
これらの分野は、生命科学の根幹をなすテーマであり、ほかの単元の知識とも密接に関連するため総合的な理解度が問われる問題が出題されやすいです。
過去問分析で志望校の頻出単元を特定したら、教科書や標準的な問題集に加えて、より応用を扱った参考書や問題集にも取り組んでみましょう。
こうした受験対策を効果的に進めるには、学習内容の整理や優先順位の判断を、信頼できる指導者と一緒に行うことが重要です。
横浜予備校では、生徒一人ひとりの志望校や理解度に応じて、復習のタイミングやタスクの配分まで丁寧に調整した個別カリキュラムを提供しています。
また、少人数制(1クラス平均2名)を基本とし、生徒一人ひとりの学習の進み具合を毎日丁寧にチェックし、無理なく続けられる学習計画づくりを徹底的にサポートしています。
さらに、入試に直結する独自教材やプレゼン型の授業を通して、知識の定着と実践力の両方をバランスよく伸ばしていけるのが特長です。
まずは資料請求や無料相談にて、学習環境や指導方針をぜひご確認ください。
医学部受験の生物で高得点を狙うなら

生物は、地道な努力が点数に結びつきやすい科目ですが、医学部合格レベルの高得点を安定して獲得するためにはより専門的な対策が必要です。
特に、実験考察問題や深い理解度を問われる論述問題への対応は、独学だけでは難しい場合もあります。
医学部受験に精通した予備校などを活用することで、志望校の出題傾向にあわせた無駄のない学習計画を立て、学力を効率的に伸ばすことが可能です。
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